息子の友達が入院してきた日、私は“看護師”ではいられなかった──白衣の奥で交わった本能と快楽

第一章:

見つめ返された午後、女としての“私”が疼きはじめた
―静岡・市立病院/37歳・看護師と、20歳・息子のバスケ部の友人

静岡の梅雨は、湿った風と重たい雲に包まれながら、街をゆっくり蒸らしていた。
市立病院のナースステーションに戻った午後のこと、後輩が軽く首をかしげながら言った。

「由紀さん…今日入ってきた患者さん、たぶん…息子さんのお友達ですよ」

病室のカーテンを開けた瞬間、私の時間が、ほんのわずかに止まった。
そこにいたのは、拓海――息子の大学バスケ部の友人だった。

「久しぶりですね、由紀さん。中学のとき、ハルの家で…毎週のようにお世話になってましたよね」

彼の声が低くなっているのがわかった。
中学の頃の、あの無邪気さはもうなかった。視線はまっすぐで、でもどこか艶を帯びていた。汗ばんだ額、濃くなった眉、細く引き締まった顎と喉のライン。

「…もう、そんなに大きくなったのね」

思わず出たその言葉は、母親のものだったのか、それとも…。

アイスパックを置こうとして手が彼の太ももに触れたとき、私はわずかに震えた。
熱を持った若い筋肉の感触が、手のひらから心臓に伝わってくる。

「ごめんなさい、冷たすぎた?」

「ううん…むしろ、気持ちよかった」

彼が笑う。
それは無垢な笑みじゃなかった。
どこか、私の中に“入ってくる”ような、危険な笑みだった。


第二章:

静かな病室で触れ合った肌と肌、罪と快楽のはざまで
―深夜2時/消灯後の病室に響いた吐息と軋むシーツ

その夜の当直で、私はなぜかふと、拓海の病室へ向かっていた。
理由なんてなかった。
ただ、心と躰が、彼のもとへ引き寄せられていた。

病室のカーテンの奥。拓海はベッドの上で半身を起こしていた。白いTシャツからは筋肉の起伏が透け、長い脚がシーツの上に無防備に投げ出されていた。

「来てくれたんですね」

「様子、見に来ただけ」

「ほんとに? 俺、ずっと待ってたんですよ、由紀さんのこと」

囁くような声に、空気が湿る。
一歩近づいた瞬間、彼の指が私の手首をとらえた。力強く、でも優しく。
そのまま、私を引き寄せてベッドの縁に座らせた。

「…ダメよ、こんなこと…」

「俺、ずっと…ずっと我慢してた。由紀さんのこと、ずっと欲しかった。ハルの家でシャツの隙間から見えた肩も、台所に立つ後ろ姿も…全部、脳に焼き付いてる」

唇が私の耳元に近づき、ぬるい吐息が髪を揺らす。
背中に走る粟立ちが、理性のすべてを溶かしていった。

白衣のボタンに、彼の指先が触れた。
震える指がひとつ、またひとつと外していくたび、心臓の音が身体の奥に響いた。

「ねえ…全部見せて。俺にだけ」

私のキャミソールがずり落ち、乳房の尖りに彼の唇が触れた瞬間、静かな病室に、私の吐息が漏れた。

「んっ…ダメ…そこ…」

けれど、彼は止めなかった。
むしろ、すべてを暴き、濡れた舌でなぞり、身体の奥に眠っていた熱をすくい上げていった。

手が太ももを撫で上げ、ショーツのレースの上からゆっくりと、優しく圧をかけてくる。
濡れている。自分でも信じられないほど。

「感じてる…? こんなに、俺に…」

指が布をかき分け、中へと沈んでいく。

「あ…っ、そこ…だめ…っ…」

でも、もう遅かった。
拓海の唇と指と、熱が、私を完全に支配していた。


第三章:

「気持ちよかったよ、ママの中──」余韻に崩れた“私”という名前
―白衣の奥で堕ちた夜、そのあとの朝

拓海が、私をベッドに押し倒す。
彼の身体が、私の脚の間に収まり、張りつめた熱がやさしく触れてくる。

「ほんとにいいの?」

「…今だけ。お願い…」

一度、ゆっくりと沈んでくる彼の躰に、私は息を詰めた。
奥まで、深く。
何度も何度も、彼の熱が私を貫いてくるたび、白衣の下に隠してきた“わたし”がほどけていった。

「やばい…気持ちよすぎる…由紀さんの中…」

ぬるんと濡れた音が、静かな病室に響く。
彼の腰が深く沈むたび、快楽の波が私の中で大きく広がっていく。

シーツを掴んで声を殺す。
でも声は漏れる。

「だめ…そんなの…こんなに…感じちゃ…」

「もっと…奥まで…ほら、由紀さんの“全部”、俺にちょうだい…」

彼の腰が速さを増し、私の中がぐちゃぐちゃにかき回される。
涙が溢れ、背中が反り、脚が震える。

「…あ、ん、いくっ…あっ、やだっ…!」

絶頂の瞬間、拓海は深く沈み、耳元で囁いた。

「ママの中、気持ちよかったよ…ほんとに…」

その言葉に、私は身体の奥まで揺さぶられた。
そして全てを許してしまった、自分を。


終章:

女として堕ちた夜、白衣の奥にまだ残る熱

その後、私は何事もなかったように白衣をまとい、ナースとして働き続けた。
けれど、白いシーツの擦れる音、消灯後の静けさ、ふと漂う若い汗の匂い…それらすべてが私をあの夜へと連れ戻す。

「ママ」という名前では収まりきらなかった私。
あの夜、彼にほどかれたのは、欲望だけではない。
“女”として生きる感覚を、私は思い出したのだ。

心と身体の奥にこびりついた快楽と罪が、今も私を、熱く疼かせている。

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