不倫体験談|友人の夫に抱かれた夜の記憶

第一章:夏のベランダ、氷の音と熱い視線

東京・世田谷。蝉の声が降りしきる8月の午後、私は親友の美咲の家を訪れていた。彼女の誕生日祝いに、小さなシャンパンを抱えて。あのとき私は、まさかこの家で、取り返しのつかないことをするなんて思いもしなかった。

美咲とは高校からの付き合いで、20年来の親友だ。お互い30代後半に差しかかり、結婚や不妊、老いの話題を交わす日常のなかで、私は少しだけ、彼女の持つ“幸せそうな家庭”に羨望を抱いていたのかもしれない。

「今日はゆっくりしてってね、旦那もいるし、一緒に飲も」

彼女の夫、隆司さんは、落ち着いた印象のある会社員で、40歳。これまで言葉を交わすことは少なかったが、どこかその視線には、一度見たら忘れられない温度があった。

「いつも〇〇さんのこと、美咲がべた褒めなんですよ」

軽い冗談のように言った彼の声が、私の耳の奥に残った。

夕暮れ、ベランダで三人で飲む。氷の音、薄く汗ばむ肌、風が吹き抜ける中、彼の視線が何度か、私の鎖骨のあたりに落ちていたのを、私は気づいていた。けれど見て見ぬふりをした。

そして夜10時、美咲が「ちょっと眠くなっちゃった」と言って先に寝室に消えたあと。

静かなリビングに、彼と私だけが残された。

「……まだ、飲みます?」

「うん、もう少しだけ」

ほんの一杯だけのつもりだった。だけど、グラスを持つ私の手に、彼の手が重なった瞬間、その熱が、意識を濡らした。


第二章:踏み込んではいけない線の、その先へ

「……〇〇さん、あのさ」

彼の声が低く、切れかけた電球のように震えていた。

「ごめん、変なこと言うけど……今夜、帰ってほしくないって思ってる」

言葉よりも先に、私の身体が反応していた。

彼の手が私の腰に添えられる。拒めばよかった。けれど、その瞬間、私の中の“友人”というブレーキは、わずかな音を立てて外れてしまった。

「……ダメ、だよ……でも……」

言葉とは裏腹に、私は彼の指が肩紐を下ろすのを止めなかった。

ソファに背を預けた私の上に、彼が覆いかぶさる。見慣れた部屋の天井が揺れ、耳元で吐息が熱を帯びて響いた。

「綺麗だよ……ずっと、こうしたかった」

シャツのボタンを一つずつ外され、肌に触れた指先が、熱を帯びた波のように私の感覚を溶かしていく。唇が胸に触れたとき、私は小さく震えた。

膝を割るようにして脚を開かれたとき、私は確かに罪悪感と快楽の両方で濡れていた。

「……奥まで、いい?」

その言葉を聞いた瞬間、自分がもう戻れないところに来てしまったのだと理解した。

彼がゆっくりと入ってくる感覚。息が詰まるほどの熱と重みが、子宮の奥まで満たしていく。

奥を突かれるたびに、私は彼の名前を声に出してしまいそうになり、必死で唇を噛んだ。

でも、内側に響いた衝動は、もう誰にも止められなかった。

「……出すよ……奥に……」

その瞬間、全身が跳ねるように震え、深いところで弾けるような熱を感じた。

彼が吐息とともに私の中に溶けていく感覚とともに、私はすべてを許してしまっていた。


第三章:朝焼けと沈黙、壊れたものの輪郭

気づけば朝だった。

カーテンの隙間から漏れる光が、二人の交わったままの身体を照らしていた。

私の中にはまだ、彼の余韻が、体温が、存在していた。

何かを言わなければならないのに、何も言えなかった。

「……ごめん」

最初に口を開いたのは彼だった。その一言が、妙に空虚で、どこか遠い音に聞こえた。

私はうなずくことも、微笑むこともできなかった。

ただ、下着を身につけ、リビングの床に転がった自分のピアスを拾い、無言でバッグにしまった。

玄関を出ると、朝の光がまぶしくて、思わず目を細めた。

駅に向かう道すがら、私は何度も自分の中に問いかけていた。

“どうしてあんなことをしたの?”

“これで、美咲との友情は終わったの?”

でも、身体の奥深くに、まだ彼の温度が残っていることを、私はなぜか消したくなかった。

罪悪感と快楽が同居する感情。

それは、許されない恋に堕ちた者にしかわからない、特別な痛みだった。

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