【第1部】三十年ぶりの視線に、奥が疼きだす──再会は午後の光とともに
二人きりになるつもりなんてなかった。
声をかけたのは私。連絡をくれたのは彼。けれど、あの日の駅前で待ち合わせた瞬間──ほんの数秒、彼の目の奥に、三十年前の夏が燃えていた。
あの頃、私たちはキスさえ交わしていない。
でも、今日の私の心と身体は、彼の目線ひとつで、ふいに熱を帯びていた。
最初に気づいたのは、喉の奥の渇きだった。
彼の笑い声が、当時と同じように、私の胸の内をくすぐった。
私は、上手に笑えていただろうか。
視線を外そうとしたのに、まぶたの裏で彼の輪郭がこびりついて離れない。
カフェの席。彼は正面でなく、斜め横に座った。
コーヒーに口をつけながら、ふいに彼の手の甲が、私の膝にそっと触れた──
冗談の延長に見せかけた、ほんの軽い接触。
けれど私の体は、あの熱だけで、内腿の奥まで震えていた。
ふと、彼の指先が──あの手が、私の奥に差し込まれる想像をしてしまった。
羞恥。
けれど、なぜか逃げなかった。
気づいたら、「今日、時間ある?」と聞いていたのは私だった。
【第2部】口唇と、腰と、昔のままじゃない“私”が濡れてゆく──三十年ぶりの快楽の記憶
ホテルの部屋に入った途端、空気が変わった。
音も、湿度も、言葉の重さも。
私の心も、下腹も、言い訳のすべてが崩れていった。
「変わってないね」と彼が笑った瞬間、私の唇は、もう彼の喉元に触れていた。
触れるだけのキスではなかった。
しゃぶりつくように、喉の奥まで彼を欲した。
自分が、こんなにも飢えていたことを、私は彼の肉に触れてはじめて知った。
太い。硬い。熱い。
夫のものとは全然違う──そう思ってしまった瞬間、私は女になっていた。
舌で、喉で、愛撫するたびに、腰の奥が疼いた。
シャワーを浴びたばかりの彼の匂いと、汗ばむ肌の塩味。
奥へ奥へと喉が誘われていき、そのたび、私の膣がじんわりと濡れていった。
「もう、入れて……」
口に出したとたん、我慢していたように彼が私の中に差し込んできた。
そのときの、“ゆっくりと、反り返ったものが入ってくる”感覚──
私は声にならない叫びをあげて、腰が勝手に動いていた。
太さも、長さも、全然違う。
夫と比べるつもりはなかった。でも、違いすぎた。
奥に届く。内壁を撫でるたびに、頭が白くなっていく。
もう、なにも考えられなかった。
「やば……また……っ」
二度目の絶頂は、自分でも覚えていないほど、あっけなく訪れた。
【第3部】両脚を抱えられ、奥まで堕ちて──滴る快楽と、壊れない約束
騎乗位で彼の上にまたがりながら、私は獣みたいな声を漏らしていた。
自分で上下に動くたびに、奥にぶつかる。
彼の手が私の腰を支えながら、私を導いていく。
「もう、止まれないよ……」
私も彼も、何度もそう言いながら、止まらなかった。
体位が変わり、彼が私の両脚を抱え込むように正常位で深く突いてくる。
汗ばんだ彼の額、太い腕、熱い息。
そして──子宮の奥に届くような突き上げ。
「……っ、イク、よ」
彼が言った瞬間、私はまたイッていた。
その最中に、彼がすべてを中に出した。
熱くて、濃くて、やさしい絶頂だった。
終わったあと、私は彼の腕の中で呼吸を整えていた。
罪悪感は……なかった。
むしろ、“取り戻した”という気持ちに近かった。
「これからも、壊さずに楽しもうね」
そう囁いた彼の声は、三十年前の“もしも”を、今に変えてくれた。
それから──
私たちは、月に二度。
夫にバレることなく、身体だけでなく、心まで溶け合っている。



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