通勤電車で芽生えた秘めごと──人妻が「女」に戻る朝の欲情記録

千葉の住宅街。朝の空気は澄んでいて、少しだけ肌寒い。
けれど私の身体の奥には、夜明けと共に立ち上がる熱があった。
それは、誰にも言えない渇き。
31歳、人妻、OL。
表面上は何も欠けていない、けれど満たされたことのない、私の奥底に巣くう“女”が、最近毎朝、目を覚ましてしまう。

きっかけは、いつもの満員電車だった。
東京の中心部へ向かう車両。駅に着くたびに人が押し寄せ、もう入らないと思っても、さらに詰め込まれる。
身動き一つとれないその中で、私は彼と出会った。

名前も、職業も、年齢も知らない。
でも、彼の隣に立つたび、私は女に戻っていく。

最初の数日は、ただの接触だった。
混雑の中で、偶然触れる腕や背中。
けれど私の感覚は、なぜか彼の肌にだけ、過敏に反応した。
電車が揺れるたび、彼のカバンが腰に当たる。
それが、ただの布越しの接触なのに、私の内腿はじんわりと湿っていった。

彼もまた、気づいていたと思う。
私のわずかな身じろぎ、吐息の変化、押し当てる胸の膨らみを。
でも彼は、何も言わず、ただ受け止めてくれた。
それが逆に、私の欲望を解き放ってしまった。

ある朝、私は彼の真向かいに立つことができた。
ぎゅうぎゅうの車内で、私たちはまるで抱き合うように密着した。
彼の太ももと私の脚の内側が触れ合い、私はそこに自分をすり寄せるようにして立っていた。

彼の手が、無言のまま、私の腰に添えられた。

それは痴漢ではなかった。
でも、愛でもない。
私と彼だけが共有する、沈黙の合図。

私はわずかに頷き、彼の手が滑るように私のスカートの裾を捲った。
素肌に触れる彼の手の温度に、腰が勝手に揺れた。
Tバックの細い布を指がかき分け、茂みの奥へと入り込む。
すでに濡れていた私の中に、彼の指が、ためらいなく沈んでいく。

「……ッ」

声は、出せない。
けれど、膝が震えて、肩が小刻みに揺れる。
彼の指先が、静かに、確かに、私の“そこ”を探ってくる。
電車の揺れに合わせて、指が抜き差しされるたび、身体中に快感が駆け上がる。

私の視界は、霞がかかったように白く滲み、他の乗客の存在が遠のいていく。

彼の親指が、わずかに硬くなった“粒”を捉える。
そこを撫でられると、私はもう理性を保てなくなり、唇を噛みながら、必死に堪えた。

「お願い、もっと……」
心の中で何度も呟いた。

指が深く沈み、押し広げ、出し入れされるたびに、私の身体は電車という密室の中で、何度も絶頂を迎えた。
太ももに伝う自分の熱い蜜が、恥ずかしいほど溢れているのを感じながら、それでも私はもっと、もっとと彼の手を追い求めてしまった。

やがて、電車が乗り換え駅に近づいてきた。
彼の手は静かに私の中から抜かれ、私のスカートの裾は元に戻された。
誰も気づいていない。
でも私は、確かに“された”。
そして私は、自分が女であることを、全身で思い知らされた。

駅のホームに降り立つとき、足が震えていた。
股間に張りつく下着は、すでにぐっしょりと濡れていて、私はトイレに駆け込み、自分の中に残る彼の温もりを確かめながら、ひとりでまたいった。


余韻と罪の記憶:

その日から、私の朝は変わった。
彼の指を求めて、スカートの丈を短くし、ブラを外して出勤するようになった。
他の男の視線さえも、彼の目の代わりに感じながら、私は毎日、女として“壊れていった”。

名も知らぬ彼と交わす沈黙の情事。
痴漢でもない、愛人でもない、けれど確かに私は快楽を知った。

私はもう戻れない。

通勤という密室で、私は本当の“私”になっていく。
誰にも知られずに、名前も呼ばれずに、ただ快感の波に溺れながら。

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