息子の友達の制御不能な絶倫交尾でイカされ続けて… 安みなみ
【第1部】乾いた午後と年下大学生──「おばさん」と呼ばれた瞬間に目が覚めた
私の名前は香織、四十五歳。
関西から夫の転勤で横浜に来て、もう十年になる。大学二年生の息子・大輝は、今では私よりも背が高くなり、家にいる時間も少ない。
気づけば、私の一日は「家事」と「ひとりの時間」にきれいに分かれていた。
朝、夫を送り出し、洗濯機を回して、弁当箱を流しに置きっぱなしにした息子を少しだけ責める。
そんな「いつも通り」の日々のなかに、ある日、ひとりの青年が割り込んできた。
大輝が「サークルの友だち、連れてきた」と言って玄関を開けたとき、そこに立っていたのが、地方から出てきて一人暮らしをしているという大学二年生の青年──雅也だった。
背が高くて、姿勢がいい。
Tシャツの上からでもわかる、厚い胸板と引き締まった腕。
けれど彼の顔立ちはどこかあどけなく、笑うと、まだ少年の影が残っていた。
「初めまして、津田雅也です。いつも大輝にお世話になってます」
丁寧な言葉づかい。
だけど視線だけは、一瞬だけ私の胸元のあたりで止まり、すぐに逸れていった。
その一瞬を、私は見逃さなかった。
夫との夫婦生活は、悪くはない。けれど、結婚二十年を越えた今、互いの身体のラインも、触れ方のクセも、ほとんど予測できるようになってしまっている。
ふとしたときに、鏡に映る自分のからだを眺めては思う。
――私は、まだ「女」として、誰かをドキッとさせることはできるのだろうか。
そんな問いへの答えを、私はずっと怖がっていた。
その日、何気なく選んだのは、胸元のボタンを二つ外した白いシャツと、少し丈の短いフレアスカートだった。
「たまたま」そうだった、と自分に言い訳しながら、私は、冷蔵庫から麦茶を取り出し、グラスに氷を落とした。
「雅也くん、氷入れても大丈夫?」
「はい、ありがとうございます」
振り向いたとき、彼の視線がまた、すっと私の脚のラインをなぞっていく。
スカートの裾が、ほんのわずかに揺れ、太もものあたりで光を反射した。
胸の奥で、何かが小さく跳ねた。
その夜、息子と雅也が笑いながらゲームをしている声を聞きつつ、私はキッチンで残り物を片づけながら、さっきの視線を何度も何度も思い出していた。
「おばさん、めちゃくちゃ若いっすね」
帰り際、玄関で靴紐を結びながら、彼がふいにそう言った。
おばさん。
若い。
ふたつの言葉が同時に胸に落ちてきて、混ざり合って、私の心のどこかをかき混ぜた。
「お世辞でもうれしいわ。ありがとう」
そう返しながら、私は笑顔の奥で、久しく感じていなかった種類の熱を、静かに確かめていた。
【第2部】二人きりの午後──「息子はいませんよ」と言ったあと、私が崩れた理由
数日後の水曜日。
その日は、珍しく大輝が一限から講義ということで、早く家を出ていった。夫も朝から出張へ出かけ、家の中には私ひとりだけ。
掃除機をかけ終えたころ、呼び鈴が鳴った。
インターホン越しに映ったのは、見覚えのある背の高い影。
胸の鼓動が、一瞬だけ、拍を飛ばした。
「……雅也くん?」
『あ、津田さん。急にすみません』
チェーンを外し、ドアを開けると、そこに立っていた彼は、少しだけ息を弾ませていた。
黒いTシャツが、うっすらと汗を含んで肌に張りついている。
「大輝なら、もう大学に行ったわよ?」
そう告げたとき、彼はほんの一瞬だけ視線を揺らし、そして小さな声で言った。
「……今日は、その。津田さんに、会いに来ました」
言葉より早く、腕が伸びてきた。
気づいたときには、私は玄関の壁に軽く背中を預け、その胸板の硬さと体温を、シャツ越しに感じていた。
「ちょ、ちょっと……」
「すみません。でも……この前から、ずっと、頭から離れなくて」
耳もとで、彼の声が掠れる。
近くで見ると、まつ毛の影も、喉仏の動きも、まだ若いのに、不思議と頼りがいのある線を描いていた。
戸惑いと、驚きと、そして──
どこかで待ち望んでいたような、甘い絶望が、同時に私の中に押し寄せる。
「……私、あなたの友だちのお母さんよ?」
絞り出すように言うと、彼はほんの少しだけ身体を離し、まっすぐに私を見つめてきた。
「わかってます。でも、あの日からずっと……津田さんのこと、女の人として見てしまってて」
女の人。
その言葉が、静かに胸の奥に沈んでいく。
夫からも、息子からも、久しく掛けられなかった呼び名。
私は、思わず笑ってしまいそうになる自分を、必死で抑えながら、彼の視線から目を逸らすことができなくなっていた。
「……少しだけ、上がっていく?」
その一言を口にした瞬間、自分がもう引き返せない場所に足を踏み入れたことを、私ははっきりと理解していた。
リビングに通すとき、さりげなく胸元のボタンをひとつ外している自分に気づき、心のどこかで苦笑する。
でも、その仕草を止めることは、もうできなかった。
ソファに向かい合って座るはずだったのに、彼は躊躇なく、隣に腰を下ろした。
距離が近い。
Tシャツから立ちのぼる、洗剤と汗と若い肌の匂いが混ざったような香りが、ふっと鼻先をかすめる。
「本当に……大輝、今日は帰ってこないですよね?」
「ええ。夕方までは講義があるはずだから」
その答えを確認するように、彼の指先が、そっと私の手の甲に触れた。
触れられた場所から、じわりと熱が広がっていく。
「……ダメなことよね、これ」
そう呟いた唇を、彼の視線が追いかける。
やがて、手の甲から、手首へ。
手首から、二の腕へ。
ゆっくりと、確かめるように滑っていく指先に、私の呼吸は少しずつ乱れていった。
「津田さんが、嫌じゃなかったら……」
言葉の続きを、私は聞きたくなかった。
聞いてしまえば、きっともう、止まれなくなってしまうから。
それでも、身体は、正直だった。
私は、彼の肩にそっと額を預け、自分からその胸の硬さに身を寄せていた。
腕の中に収まった瞬間、ふっと重力の向きが変わったように感じた。
現実と後悔と期待とが、すべて遠ざかっていく。
ソファに沈み込む視界のなかで、天井の白さだけが、やけに鮮明だった。
指先と指先が絡まり、ためらいがちだった距離が、ゆっくりと、確実にゼロへと近づいていく。
その先にあるものを、私は知っている。
何度も経験してきたはずの行為なのに、なぜかこのときだけは、初めてのように怖くて、そして、どうしようもなく、楽しみだった。
やがて、世界は静かに暗転した。
【第3部】夫とは違う体温──秘密の「また来て」と私が言ってしまった朝
どれくらい時間が経ったのか、正確にはわからない。
カーテンの隙間から差し込む光の角度が、少しだけ傾いているのを見て、午後がゆっくりと深まっていることだけは理解できた。
ソファの上で、私は薄いブランケットを肩まで引き寄せ、その隣で静かに息を整える雅也の横顔を見つめていた。
彼の胸は、まだほんの少しだけ上下している。
汗で乱れた前髪の隙間から見える額は、若さ特有の熱を宿していた。
夫の身体のぬくもりとは違う。
息子とも、もちろん違う。
「年下の男の子」としての危うさと、「ひとりの大人の男」としての確かさが、不器用に同居している体温だった。
さっきまで自分が、どんなふうにその体温にしがみついていたかを思い出し、頬の内側を噛みしめる。
形を持たない余韻が、まだ身体の奥で、ゆっくりと波紋を広げていた。
「……津田さん」
ふいに、彼が目を開けた。
眠たげな瞳が、まっすぐこちらを捉える。
「……後悔、してますか?」
その問いは、あまりにもまっすぐ過ぎて、返事を探す言葉が喉につかえた。
後悔。
すべきなのかもしれない。
息子の友だちである彼を、家に上げ、受け入れてしまったこと。
夫との信頼に、細い傷をつけてしまったこと。
でも、私の身体は、別の答えを知っていた。
長い間、誰にも触れられずに乾いていた場所が、ようやく思い出した「温度」を、簡単に手放すことができそうになかった。
「……そうね。きっと、ダメなことなんだと思う」
正直にそう言ったあと、私はふっと笑ってしまった。
「でも、ありがとう。私、まだ……女として、誰かを求めてもいいんだって、少しだけ思えたから」
彼は、何も言わずに私の手を握った。
その握り方は、先ほどよりも少しだけ慎重で、どこか、私を尊重しようとする意志が感じられた。
「俺……また、来てもいいですか?」
その問いかけに、心臓が大きく鳴った。
ここで「もうやめましょう」と言えば、まだ何かを守れるのかもしれない。
けれど、私は、すでに境界線のこちら側に立っている。
その線を踏み越えたのは、誰でもない。私自身だ。
「……私からも、お願いしていい?」
「え?」
「また、来て。……ただのおばさんじゃなくて、一人の女の人として、私を見てくれるなら」
その言葉を口にした瞬間、胸の奥のどこかが、確かに震えた。
罪悪感と同じくらいの濃度で、解放感があった。
玄関まで彼を見送るとき、ふと足が止まる。
ドアノブに手をかけたまま、振り返って、私は小さな声で付け加えた。
「……それと、ひとつだけ約束して」
「はい」
「大輝には、絶対に内緒ね」
彼は真剣な顔でうなずき、少しだけ照れたように笑った。
「もちろんです。これは……俺と津田さんだけの、秘密にします」
ドアが閉まったあと、静けさが戻ったリビングに、私の鼓動だけが浮かび上がる。
ソファの上には、少し乱れたクッションと、ブランケット。
それらは、数時間前までここで何が起きていたのかを、淡々と物語っていた。
キッチンに戻り、冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出す。
グラスに注いだ水を一口飲むと、その冷たさが喉をすべり落ちていく感覚と、さっきまで身体の奥を満たしていた熱とのコントラストが、やけに鮮明だった。
「私、どうしちゃったんだろう……」
そう呟きながらも、頬が緩むのを止めることができない。
スマートフォンの画面には、何の通知もない。
でも、指先は、さっき交換したばかりの雅也の連絡先まで、迷いなくスクロールしていく。
そこに表示された、シンプルな名前。
画面を見つめながら、私は小さく息を吐いた。
もう元には戻れないことを、どこかで理解しながら。
それでも、次の「ピンポン」が鳴る未来を、思い描かずにはいられない自分を、どうしようもなく愛おしく感じていた。
まとめ──「おばさん」でも「人妻」でもなく、一人の女として揺れた午後
これは、四十五歳の専業主婦である私が、息子の同級生という年下の大学生に触れられたことで、「おばさん」でも「母親」でもない、自分の中の「女」を思い出してしまった午後の物語だ。
夫との生活が嫌だったわけではない。
息子を愛していないわけでもない。
ただ、日々のルーティンのなかで、私自身の身体の奥に眠っていた「誰かに求められたい」という衝動だけが、長いあいだ行き場を失っていただけだった。
玄関のチャイム。
ソファのやわらかさ。
若い体温と、少し乱れた息。
それらすべてが、私のなかに眠っていた何かを、そっと起こしてしまった。
この出来事を、誰かに誇らしげに話すことはきっとない。
胸を張って「正しい」と言えることでもない。
それでも、あの午後、あの腕の中で、私は確かに「生きている自分」を感じていた。
年齢や立場に押し込められた役割ではなく、一人の女として呼吸し、震え、揺れていた。
この秘密は、きっと長く、私のなかで生き続ける。
次に玄関のベルが鳴るとき、私はどんな顔でドアを開けるのだろう。
後悔と、ときめきと、罪悪感と、ささやかな誇り。
それらすべてを抱きしめながら、私は今日も、何事もなかったふりをして、夕食の支度を始める。
心のどこかで、あの震える声を思い出しながら。
「……おばさんじゃなくて、香織さん、って呼んでほしいな」
いつかそう言ってしまいそうな自分を想像して、私はひとり、静かに微笑んだ。




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