SM体験談|拘束され愛撫道具が教える快楽と支配の秘密

第一章:きっかけは、裏アカの向こう側で

22歳、都内の女子大に通う私は、自他ともに認める“真面目”なタイプだった。地味で目立たず、授業と図書館を往復するような日々。恋愛経験も乏しく、もちろん男性との身体的な関係にも臆病だった。

そんな私が“裏アカ”を持ったのは、好奇心と、どこかにある孤独を埋めたかったから。誰にも見せたことのない素顔。心の奥にある、誰かに支配されたいという得体の知れない欲望――それを、小さなスマホ画面の向こうでつぶやくだけのアカウント。

「真面目な女子大生です。誰かに壊されてみたいです。」

深夜2時、半ば投げやりにそう書き込んだ投稿に、ひとつだけ「いいね」がついた。その相手――“蓮さん”という名の彼は、プロフに顔も経歴もなかったが、短いDMはなぜか、胸の奥に落ちていった。

「壊されたいなら、まずは自分で立てなくなるまで委ねなさい。道具は、最小限でいい。信頼だけを縛ることができれば。」

ぞくり、と背中を撫でられたような感覚。言葉に含まれた“支配の予感”に、私は思わず呼吸を止めていた。何度かのやり取りを経て、彼と会うことに決めた。

場所は、代々木の小さなレンタルルーム。木の香りが残る無機質な部屋に、黒いチェアと、鏡張りの壁だけがあった。彼は、年齢は私より一回りほど上。低く静かな声で、「今日は“縛り”の導入だけにしよう」と言った。

緊張で汗ばんだ手のひらを握りしめ、私は首を縦に振った。


第二章:縛られる快楽、命令される悦び

「服を脱いで、四つん這いになって。」

蓮さんの声は、冷たくもなく、やさしすぎるわけでもなかった。ただ抗えない“命令”として、私の中に浸透していった。

身体の奥で、何かがきゅっと締めつけられた。羞恥と恐れと興奮が入り混じり、喉がカラカラに乾く。私が震える手でセーターの裾を上げると、彼は何も言わず、ゆっくりと縄を取り出した。

その縄は、意外なほどやわらかかった。けれど、肌に巻きつくたびに、私の自由を一つひとつ奪っていく。「こうやって、腕はここに……うん、いい子だ。」

“いい子だ”――たったそれだけで、私は体の奥がじんわり熱を帯びた。やさしく言われたのに、ぞくぞくする。おかしい。こんなの、私じゃない。

「見てごらん、自分の姿。鏡越しに。」

私は顔をあげた。縄で胸を持ち上げられ、背を反らされた自分が、鏡の中で喘いでいる。そこにいたのは、“真面目な私”ではなかった。誰かに支配され、命令され、悦びの中で震えている、全く別の女。

蓮さんは私の頬を指先でなぞりながら、ささやいた。

「縄が疼くのは、心が疼いてる証拠だよ。君は、そういう身体なんだ。」

その言葉に、涙がにじみそうになった。まるで、ずっと探していた何かを肯定されたようだった。

痛みはなかった。けれど、締めつけられることでしか見えない快楽の場所に、私は少しずつ導かれていった。

蓮さんの手は、私の肌を焦らすように撫でて、言葉とともに熱を伝えてくる。乳房の先に縄が触れるたび、無意識に腰が揺れ、息が漏れた。

「許可をするまで、いってはいけない。」

その一言で、私は息を呑んだ。誰かに“絶頂のタイミング”すらも委ねるということ。それが、こんなにも甘美で、怖くて、どうしようもない悦びだなんて……。


第三章:絶頂の先に、愛にも似たもの

「まだだよ。自分がどんなふうに感じてるか、ちゃんと聞かせて。」

縄に囚われたまま、私は涙を流していた。羞恥と快楽が限界に達し、理性がとけていく。彼の指が私の芯をなぞるたびに、身体が跳ねた。

「言って。どこが欲しい?」

「……そこ……そこを、もっと……。」

自分で口にするたび、恥ずかしさと、それを上回る快楽が交錯する。

「もう、いきたい……です……」

「どうして?」

「……蓮さんに命令されて、いきたい……」

その瞬間、彼の指が一気に奥へ――

「いっていいよ。」

許可された言葉に、私の身体は勝手に震え、解けていった。身体の奥が波打ち、意識が遠のくような絶頂の果てに、私は呆然としたまま、縄の感触だけを確かめていた。

静けさのなかで、彼がそっと髪をなでた。

「よく頑張ったね。」

そう言われたとき、私は泣いた。なぜ泣いたのか、自分でもわからなかった。けれど、確かに何かを“赦された”ような気がした。初めて、自分の欲望を認めてくれた誰かがいた。それが、ただ嬉しかった。

彼は最後に、こう言った。

「快楽は、支配の先にあるんじゃない。君が許したから、導けたんだよ。」

――それから私は、週に一度だけ、蓮さんに“縛られに”行っている。

真面目な私のままで。けれど、誰よりも淫らに、素直なままで。

「愛撫という名の支配――道具越しにほどかれていく私」


第一章:革の箱と、言葉の鞘

あの日も、雨だった。
代々木のレンタルルームの扉を開けると、蓮さんはいつもと同じ、静かな声で私を迎えた。

「今日は、“言葉では届かないところ”を、感じてみようか。」

部屋の隅には、黒革の箱が置かれていた。まるで宝石でも入っているようなその箱の中には、手袋、フェザー、アイマスク、そして――小さなガラスの棒。どれも奇をてらったものではないけれど、並んだそれぞれが持つ“意味”に、私は息を詰めた。

「道具は、痛みのためにあるんじゃない。感覚を“研ぎ澄ませる”ためにあるんだ。」

彼はゆっくりと私の目にアイマスクをかぶせ、視界を奪った。
暗闇の中、ひとつの音も、ひとつの触感も、驚くほど鋭くなる。

「手を後ろに。」

私が従うと、彼はやわらかい革の手枷で手首を縛った。その束縛の感覚は、もはや“恐れ”ではなかった。ただ心が静まり、身体が彼の手にゆだねられていく――そんな、安心と興奮の入り混じった温度。

「もう、逃げられないね。」

くすっと笑った彼の息が、耳元を撫でた。
私は、ただ小さくうなずいた。


第二章:感覚の海に溺れて

「まずは、これ。」

背中にふわりと触れたのは、羽のようにやわらかいフェザーだった。肩甲骨をなぞり、背筋をゆっくりとなぞり下りていく。それだけなのに、なぜだろう。身体の奥が熱を帯び、期待と緊張が混ざっていく。

「ここが感じるんだね。」

フェザーは、今度は乳房のふくらみに触れた。
アイマスクの奥で、私は瞳をきゅっと閉じる。

「言葉にしなさい。どこに、感じてる?」

「……乳首……のまわり……やわらかく、て……くすぐったいのに、奥が……」

「うん、よくできた。」

そう囁かれた途端、次に感じたのは、冷たい感触だった。
「これは、ガラスのスティック。ひんやりしてるだろう?」

彼はそれを私の内腿に這わせた。
「ひゃっ……」と、喉の奥でこぼれた声。
彼の指は、震える私の下腹部へと滑らせ、スティックの先端が、私の最も繊細な場所に触れた。

「あ……あっ……」

「反応が正直で、いい子だ。」

ガラスのスティックが、ゆっくりと熱を吸い取るように、外の柔らかな部分をなぞる。
私の膝は力が抜け、呼吸は浅く速くなっていた。

「焦らない。感じることだけに集中して。」

彼の指が、スティックを軽く押し当て、浅く挿し入れては、すぐに引いた。
そのたびに、身体の奥が呼び覚まされる。

「そこに“快楽”があると知ってるだろう? でも、許可がないといけない。」

私は頷きながら、もどかしさに体を震わせていた。
羞恥と快感が溶けあい、腰が勝手に彼の動きを求めてしまう。
手枷に縛られたまま、私は誰よりも淫らになっていた。


第三章:絶頂のあとに訪れた、解放

「ご褒美だよ。今日は、いってもいい。」

彼のその言葉が降ってきたとき、私は堰を切ったように震え、声をあげていた。

「――っあ、ああっ……!」

身体がほどけ、緊張が解け、波のような快感が私を飲み込んだ。
視界は暗闇のままなのに、内側は光に満ちていた。
ガラスのスティックはそっと抜かれ、頬をなぞる蓮さんの手が、優しく私を呼び戻してくれた。

手枷が外され、アイマスクを取られたとき、私の目には涙がにじんでいた。

「どうして、泣いてるの?」

「……わからない。でも……」

私は言葉を探しながら、彼の胸に顔をうずめた。
自分が“壊された”のではなく、やっと“ほどけた”ことを、身体で知った。

道具越しに与えられたのは、刺激ではなく、心の深い場所にある“赦し”だった。
彼の手でしか触れられない感覚。彼の声でしか開かない扉。
そしてそのすべてが、私にとって“愛にも似たなにか”だった。

コメント

タイトルとURLをコピーしました