人妻の堕ちる夜と禁断の純愛 〜年下男に溺れた背徳の一夜〜

第一章：偶然の出会い

私は彩花、38歳。夫と結婚して15年が経ち、子どもはいないけれど穏やかで平凡な日々を過ごしている。夫とは年々会話も減り、家の中はどこか冷たい空気が流れていることに気づいていた。

そんなある日の夜。夫は飲み会から帰宅し、珍しく若い部下を連れてきた。彼の名前は中村翔。まだ27歳の若者だ。

「彩花、この子、終電逃したって言うから泊めてやってくれ」

夫はそう言うと、まるで何事もないようにリビングに座り、翔くんと一緒に飲み始めた。私は仕方なくグラスを用意し、三人でしばらく飲み続けた。

夫はすっかり酔い潰れ、ソファに倒れ込むように寝てしまった。リビングには私と翔くんだけが取り残され、微妙な沈黙が流れる。

「すみません、こんな形でお邪魔してしまって……」翔くんが申し訳なさそうに頭を下げる。

「いいのよ。まさか夫がこんなに早く寝るとは思わなかったけれど……」

「確かに、かなり飲んでましたからね……」

気まずさを紛らわすように笑い合ったが、私の胸は妙な鼓動を打っていた。目の前に座る翔くんは若さに溢れ、礼儀正しいがどこか不器用で素朴なところがある。そして何より、その端正な顔立ちと優しげな瞳は、私の好みそのものだった。

私はふと、彼の視線が時折自分の胸元に注がれていることに気づいた。さりげなく視線を逸らす仕草の中に、隠しきれない興味が見え隠れする。

彼が見つめるその熱を感じながら、私は心の奥底で静かにざわめくものを意識せずにはいられなかった。夫からは長い間向けられたことのない、女性としての私に向けられる視線。

私の中で眠っていた「女」としての本能が、ゆっくりと目覚め始めるのを感じた。抑圧されていた感情が、そのまま彼に引き寄せられるように広がっていく。

「……お茶でも淹れましょうか？」

私は気を取り直すように立ち上がり、キッチンへと向かう。彼も後を追うようにリビングの片付けを手伝おうとしてくれる。

「大丈夫よ。お客さんなんだから、気にしないで」

「いえ、それでも……少しでもお礼がしたいですから」

彼の言葉には素直な響きがあった。私は少し笑いながら、翔くんにお茶を差し出す。ふとしたことで笑い合い、言葉のひとつひとつが温かく胸に響く。久しぶりに、私も心から笑っている自分に気づいた。

でも、彼が酔っているせいなのか、その瞳の中に私を見つめる熱が混じっていることに気づいてしまった。軽いアルコールの影響なのか、それとも私自身の心の奥底で密かに求めていたものなのか。

「女として見られることへの渇望」

夫からはもう久しく感じていなかったもの。自分の存在がただの「妻」という役割に埋もれてしまったような虚無感。そんな私を、彼は一人の女性として見つめてくれている。

その事実に私は戸惑いながらも、心のどこかで求めている自分がいる。もしかしたら、彼の無垢な眼差しに救いを見出そうとしているのかもしれない。

「……翔くん、お茶、冷めちゃうわよ？」

声をかけると、彼はハッとしたように笑いながらお茶を口に運んだ。その仕草があまりにも可愛くて、私は思わず微笑んでしまう。

「すみません、なんだかぼーっとしてしまって。」

「酔ってるのね。大丈夫？」

「はい、でも……なんか、彩花さんといると落ち着くんです。すごく。」

「私なんかと一緒にいても、つまらないでしょう？」

「そんなことないです。むしろ……とても心地いいんです。」

彼の言葉が、私の胸に優しく響き渡った。再び息を吹き返すように、胸の奥で何かが震え始める。

第二章：抑えられない感情

目の前にいる翔くんを見つめながら、私の中にある抑えきれない感情が、とうとう溢れ出そうとしていた。

彼の瞳は、どこか熱を帯びながら私を見つめている。その視線は、私がかつて忘れてしまった「女」としての自分を思い出させる。無意識に指先が震え、心臓の鼓動が耳にまで響いてくる。

けれども、頭の片隅では必死に理性が警鐘を鳴らし続けていた。

「こんなことをしてはいけない。彼は夫の部下であり、私は妻としての立場を守らなければならない。」

その言葉は幾度も繰り返される。しかし、理性の声は次第に薄れていく。私を引き留めようとするその声は、もはや遠いざわめきに過ぎなかった。

本当はずっと寂しかった。愛されていないのだと思うたびに、自分の存在価値すら失っていくような錯覚を覚えていた。彩花という名前の背後に隠れた「女」としての自分を、誰かに見つけてほしかった。

「翔くん……」

私の心は、まるで透明な水面が揺らめくように、不安定に揺れていた。

目の前で優しさを湛えた瞳が、私の心を映し出しているように感じる。その瞳は、私の内側にある孤独と痛みを見透かしているのだろうか。触れられたわけでもないのに、その視線がまるで手のひらで撫でられているかのように温かい。

「妻としての私と、女性としての私」

その二つの存在が、私の中でせめぎ合っている。

長い年月をかけて築かれた理性という堤防が、少しずつ崩れ始めるのを感じる。夫との平穏な生活を守ろうとする自分と、女性として求められる喜びに抗えない自分。

「私は何をしているの？」

心の奥底で声が響く。それは冷静で厳しい声のはずだったが、今はただ震えているだけだった。どうしても抗えない。彼の視線が私を求めるほどに、私の中にある女性としての渇望が膨れ上がっていく。

「彩花さん……？」

彼の声が少し戸惑いながらも優しさを含んでいる。私はためらうことなく、その唇に自分の唇を重ねた。どこか確かめるように、ゆっくりと。

触れ合った瞬間、胸の奥で何かが崩れていくのを感じた。抑えようと必死に閉じ込めていた感情が、一気に解放される。

「もう、止められない……！」

私の心はそう囁いていた。温かさが広がり、私の心は瞬く間に満たされていく。忘れていた感覚が、鮮やかに蘇ってくる。抑えようとしても抑えきれない感情が、私を突き動かしていた。

「私ね、ずっと忘れてたの……こんな気持ち！ 誰かに求められて、愛される感覚を……！」

「彩花さん……」

「お願い……！ もう戻れないのかもしれない！ でも、今だけは……私を見ていてほしい！ 私のことを必要だって言ってほしいの……！」

「どうして……どうしてこんなにも……！ ねぇ、翔くん……お願い……！ 私を見ていて……私を感じて……！」

涙が溢れ出す。自分の言葉があまりにも率直で、痛いほどに真実を突きつけていた。抑えようとする理性は、すでに砕け散っていた。

「僕は、彩花さんをずっと……！」

彼の声が震えながらも優しく私を包み込む。全てを肯定してくれるその言葉に、私は再び彼の唇を求めた。

「もう、止めたくない……！ こんなにも苦しいのに、どうしても止められないの……！」

言葉を吐き出すたびに、心の奥底で渦巻いていた感情が溢れ出していく。

私の周りの世界がかすんでいく。視界に映るのは彼だけで、触れ合うたびに心は熱に溶かされていった。

「翔くん……こんな私でも……いいの？」

「彩花さんが……欲しい！ ずっと……！」

その言葉に涙が溢れる。彼の声は純粋で、まっすぐで、私の心の奥に隠された痛みを優しく癒してくれた。

「私も……欲しいの……！ 翔くんが……こんなにも……！」

感情が押し寄せる。全てを忘れて、ただ彼だけを感じていたい。今だけは、自分を偽らずにいられる瞬間がここにある。

「ねぇ……お願い……私を……必要だと言って……！ もっと……もっと……！」

「もちろんです！ 僕にとって……彩花さんはすべてなんです！」

彼の言葉が、まるで光のように私の心を満たしていく。その瞬間、理性は完全に崩れ落ち、私はただ感情のままに彼を求めていた。