「深く、深く、異国の熱が私を満たしていく──ある夜のホテルで」
あの夜のことを、私は“躰”よりも“記憶”で覚えている。
たとえ触れていなくても、今でもその感覚は、どこかに残っている気がするのだ。
彼とは、ある英会話の交流アプリで知り合った。
軽い気持ちで始めた会話──けれどその英語のやり取りの奥に、なにか熱を孕んだものを私は感じ取っていた。
「あなたの笑顔、見てみたい」
その一文だけで、なぜか指が震えた。
私は28歳。専業主婦。
穏やかな結婚生活の中で、誰にも言えない“乾き”を抱えていた。
そして夜。待ち合わせのホテルのロビーに彼は現れた。
高身長、褐色の肌、洗練された黒いシャツが身体に張りついていた。
その胸板の厚みと、瞳の深さに、私はもう“逃げられない”と感じていた。
部屋に入ると、会話はほとんどなかった。
扉が閉まる音と同時に、彼の指が私の髪を梳き、頬に触れた。
まるで、音楽のように始まる愛撫。
唇が重なると同時に、私の中の羞恥心がひとつずつ剥がされていく。
彼はゆっくりと私のブラウスのボタンを外し、肌に口づけを落とした。
その舌はまるで祈るように、鎖骨をなぞり、胸の曲線に沿って滑り落ちる。
息が漏れ、指先が彼の肩を掴む。なのに、もっと深く触れてほしいと、心が欲しがっていた。
ベッドに押し倒され、スカートがめくられた。
そして、彼は私の脚の奥に顔を埋めた──
唇が、舌が、まるでそこが果実であるかのように、時間をかけて味わい尽くしていく。
息を止めていなければ、声が漏れた。
彼の鼻先が柔らかな丘を押し上げ、舌先が花びらの内側を、信じられないほど繊細に探る。
「Don’t be shy… I want to feel you melt.」
その言葉と共に、指が静かに私の奥へと忍びこむ。
ぬるん、と音を立てるように滑りこみ、私の身体はびくんと震えた。
舌と指、二重の刺激が私の中に溢れ、じわりと熱いものがせり上がる──
私は彼の名を知らぬまま、彼の舌先でひとつ、堕ちていった。
それはまだ、序章だった。
彼は立ち上がり、ズボンを外した。
その瞬間、私は言葉を失った。
それは“存在”だった。
黒々とした熱を宿し、太く、長く、私の想像を越えていた。
私は自然と膝をついていた。
その熱を唇で包もうとするけれど、顎が軋む。喉が圧迫される。
でも、止まれなかった。
唾液が溢れ、舌先で亀裂をなぞる。彼は私の髪を撫でながら、英語で優しく囁く──「That’s so good… keep going…」
彼の熱が脈打つたび、私の中に何かが波打つ。
快楽と羞恥が交差し、私は“喉”で快楽を与えることの悦びを、初めて知った。
そして、ベッドに戻される。
最初は正常位──彼の熱が、ゆっくりと私の奥へ押し広げるように入ってくる。
膣がひとつひとつ、彼の形を記憶するようにしなっていく。
「Ah… so tight…」
彼の言葉が震え、私の身体が濡れていく。
ひと突きごとに、奥から甘い震えが込み上げ、声が止まらない。
次は後ろから。私は四つん這いにされ、腰を掴まれる。
背後からの圧迫、そして衝撃──
肉がぶつかる音と濡れた音が、静かな部屋にいやらしく響く。
体位は変わる。騎乗位。
私は彼の太い熱を跨ぎ、ゆっくり沈み込む。
深い。息が詰まり、彼の胸に手を置いて腰を揺らす。
濡れた音が絶え間なく、私の下腹を震わせる。
彼の瞳が私の顔を、胸を、濡れた股を見つめている。
私はもう、女でしかなかった。
名前も、肩書きも、日常も脱ぎ捨てて、ただ、貫かれ、満たされ、快楽に溺れる女。
何度目かの絶頂のあと、彼は私の奥深くに達し、押し寄せるように吐き出した。
その温もりと余韻で、私は静かに目を閉じた。
世界はしんと静まり返り、私の中にはただ、熱と記憶だけが残った。
──あの夜、私は目覚めた。
“求めること”を。
女であることの悦びを。
そして、その熱は今も、私の奥で、やまない。



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