夫の前で抱かれた夜|私が目覚めた瞬間

第一章:誰にも知られず、私は濡れていた

あの夜のことを、私はまだ夢のように思い返す。
けれど、はっきりと身体は覚えている。
――たかし君の手の温度、夫の無言の視線、そして、私自身の濡れた内側の感触までも。


その始まりは、夫の一言だった。
「……お前さ、たかしに抱かれてみたくない?」

1月の終わり、息が白くなる夜のキッチンで、湯気の立つ鍋を前にして。
湯豆腐の湯気よりも熱く、私の頬が赤くなるのを、夫はどう思って見ていたのだろう。

「……どういう意味?」

問い返す声は震えていた。怒りではない。戸惑いでもない。
その言葉の意味を、一瞬で理解してしまった自分の身体に、私は怯えていた。

「一度だけでいい。ちゃんと酔ったことにするから、さ。お前、酒入るとすぐエッチになるだろ? たかしにもそう伝えとく。お前は覚えてないって」

冗談混じりの口調の奥に、夫の本気が透けていた。
そして私もまた、ほんの一瞬――その“背徳”の景色を、脳裏に描いてしまった。
ベッドに押し倒され、誰かの重さに喘ぎながら、何も言えずに快楽だけに堕ちていく自分を。

**

それからの一週間、私の生活はゆっくりと、確実に歪みはじめた。

いつもは気にも留めなかった下着選びに、肌の見え方やレースの配置が気になるようになり、
夕食の献立を決めながらも、たかし君の顔が頭をよぎる。

夫の友人――年下の独身。陽に焼けた肌と、無邪気な笑顔。
その笑顔が私の身体の奥に入り込んでくる夢を見た朝、私はひとりで自分を慰めた。
指先が濡れたシーツの上で震えるたび、夫が仕組んだ“夜”への道筋が、快楽と共に輪郭を強めていった。

**

そして、運命の夜が来た。

雪がちらつく夕暮れ。私はリビングの鏡の前で、自分の姿を確認していた。
黒いタートルネックに、膝上丈のタイトスカート。夫が選んだ、脇の甘いガーターストッキング。
その下には、淡いグレーのレースブラと、同じ色の小さなショーツ――。
「どうせ脱がされるんだし、意味ないかもな」
そう呟いた夫の声に、私は怒るふりをしながらも、体温が上がっていくのを感じていた。

**

たかし君との待ち合わせは、彼の住む駅の近くの、こぢんまりとした居酒屋だった。
赤提灯の下で、たかし君はもう待っていた。
その瞬間、私は確かに感じた。彼の目が、私の脚のラインをなぞるように動いたことを。

「こんばんは……〇〇さん、今日すごく綺麗っすね」

私の中の“女”が目を覚ました。
ほんの一言。それだけで。
夫の手前、微笑むだけに留めたけれど、たかし君の視線が熱を帯びていたのを、私は見逃さなかった。

**

居酒屋に入ってからの私は、まるで自分じゃないみたいだった。
酒を断り、笑わず、ほとんど言葉も発しない。
目の前に並ぶ料理に手をつけることもなく、ただテーブルの下で、自分の膝を握りしめていた。

「なにしてんの? 急になんやねんその態度…」

夫が低く囁いた。

「……なんか嫌やもん」

「なんで?」

「なんでも」

「今ごろになってそんな事急に言い出すなよ」

「わかったわよ、飲めばいいんでしょ……」

たかし君がトイレに立った瞬間、私は怒りに任せて、夫の前にあった日本酒を一気に煽った。
目を閉じて飲み干すと、喉の奥が焼けるように熱く、胃の底がじわりと痺れた。
続けて、自分のグラスにも酒を注ぎ、次々と飲んでいった。

頭がぼうっとしてくる感覚。
けれど――意識は、逆に冴えていた。
私は、濡れていた。

あの視線を浴びたときから。
あの夜を想像したときから。
たかし君の部屋で、下着を剥がされる未来を――自分で描いたときから。

**

店を出た私は、フラつく身体を二人に支えられながら、たかし君のアパートへと歩いていた。

腕を回してきたたかし君の手が、腰に触れる。
その一瞬で、私の奥底に熱が走った。
雪混じりの夜風に頬が冷たくなるのに、私の脚は、震えていた。

たかし君の部屋の鍵が開く音。
そして、そのまま私はベッドに倒れ込んだ。

目を閉じた。呼吸を整えた。
私は“寝たふり”をした。

でも、本当は――
その瞬間、すべての感覚が冴えわたっていた。
濡れたショーツが、肌に貼りついていた。

今夜、私は夫に見送られながら、夫ではない男に抱かれる。

その事実だけで、私の“女”は、もう何度も達していた。

第二章:寝たふりをしたまま、私は堕ちていく

薄暗い部屋。
カーテンの隙間から覗く街灯の光が、ベッドの端に淡い影を落としていた。
私はその中心に横たわりながら、意識のすべてを研ぎ澄ませていた。

目は閉じている。でも、耳は研ぎ澄まされている。
指先、脚の付け根、首筋……皮膚の一点一点が、空気の流れすら感じ取ろうとしている。
“これから何かが始まる”という緊張と、全身に張り詰める熱。
まるで、音を立てずに獲物に近づく獣を待つように、私は震えながらその瞬間を待っていた。

たかし君の気配が、私の左側からゆっくりと近づいてくる。
ベッドが沈む気配。軋むスプリングの音。
そして、私の吐息とほとんど変わらぬ距離に、その呼吸が重なる。

「……ほんまに、寝てるんかな……」

呟くような声。
その声が耳の奥で反響し、私の下腹部がきゅっと疼いた。

次の瞬間、指先が頬に触れた。

――あぁ、来た。

その触れ方は優しくて、震えていて、けれど確実に私を“女”として見ている手だった。
耳の後ろをかすめ、髪を撫で、首筋をなぞる。
そのたびに、身体のどこかがきゅうっと緊張し、甘い痺れが走る。

夫ではない男の指が、私の肌を読むように動いている。
読むたびに、私の身体のどこかが応えてしまう――その事実が、恥ずかしくて、たまらなく興奮していた。

やがて指先は、私の胸元へ。

服の上からそっと形をなぞる。
軽く押された乳房の柔らかさに、彼の指がわずかに止まり、そして――躊躇いが崩れたように、下着の内側へと滑り込んできた。

「……っ」

声が出そうになるのを、唇を噛んで堪える。
でも、止められない。乳首に触れた指の温度が、あまりにも生々しく、熱かった。

くすぐるように、撫でるように、何度も確かめるように触れられるたび、私の腰はわずかに浮きそうになる。
酔ったふりをして、感じてはいけないのに――私はもう、限界だった。

次第に、指はスカートの裾をめくり上げていく。
太ももに触れる空気が冷たくて、それが余計に私の熱を浮かび上がらせた。
そして、ショーツの上からそっと撫でられたとき――その布が濡れて貼りついていることに、彼もきっと気づいた。

「……やばいな、もう濡れてるやん」

そう囁く声が、私の耳の奥を舐めた。

指がショーツの中に滑り込み、じゅっと濡れた音が、静かな部屋に立ちのぼった。
私は口を塞ぎ、肩をわずかに震わせながら、触れられるたびに腰を揺らしてしまっていた。

もうバレているのだ、目を覚ましていることも、感じていることも。
でも、私は目を開けなかった。
その方が、罪が軽くなる気がしたから。
無防備を装うことで、自分を許したかった。
――本当は、すべてを望んでいたのに。

たかし君は、私の脚をゆっくりと開き、上から覆いかぶさってくる。
衣擦れの音、ベルトが外れる音、そして生々しい熱が私の太腿に押し当てられる。

「……ほんまに、入れていいんかな……」

その問いに、私は答えなかった。
でも、わずかに脚を広げた私の身体が――答えそのものだった。

彼はゆっくりと、私の中に入ってきた。

「……っ、あ……」

初めてその熱が奥に届いた瞬間、寝たふりなんてもうできなかった。
意識が弾け飛ぶような甘い衝撃が、身体の芯から駆け巡る。
私はまるで、ずっと待ちわびていた鍵が奥に差し込まれるのを感じるかのように、
受け入れていた。
心の奥まで。


繋がったままの身体で、何度も何度も揺さぶられる。
声を殺すたびに、感じてしまう。
夫以外の男に抱かれるこの背徳の中で、私は誰よりも“女”であることを取り戻していた。

たかし君の呼吸が耳元で荒くなり、私の名をかすかに呼んだとき――
私は、意識の奥で、静かに絶頂を迎えていた。

声も出せず、ただ震えながら。
熱の余韻が、身体の奥でじんわりと広がっていた。

私はもう、酔ってなどいなかった。
ただ、目覚めたまま、堕ちていっただけだった。

第三章:終わりのない一度、始まりの目覚め

しん…と、静まり返った部屋の中。

カーテンの隙間から差し込む街灯の光が、ベッドの上の二つの影を静かになぞっていた。

彼の身体は、まだ私の上に重なっていた。
熱を帯びたまま、奥深くで鼓動を刻むそれが、まだ私の中にある――その事実だけで、
私は浅く、途切れるような呼吸を続けていた。

**

「あかん……ヤバかったわ……」

たかし君の囁きが、汗に濡れた首筋に触れる。
けれど私は、何も返さなかった。

“寝ていたことになっている”
それが、私と夫が交わした唯一のルールだった。
でも、私の内側は今やその境界を大きく超えていた。

**

彼がゆっくりと身体を引いた瞬間――
私の中で、何かがぷつんと切れるように音を立てた。
快楽の余韻が、熱い蜜のように脚の奥から流れ出す。

「……すごかった……」

たかし君が小さく呟いたその声に、私は背を向けたまま、目を閉じたふりを続けていた。
でも、脳裏では何度もリフレインする。
たかし君が私の名を、喉の奥で呻くように呼んだ声。
ベッドの軋み、濡れた音、肌と肌の焼けるような擦れ合い。
全部、はっきり覚えている。

**

やがて、彼がシャワーへと立ち上がる。
水音が浴室から漏れてくると、私はゆっくりと身を起こした。

寝汗と体液にまみれた身体が、冷えはじめているのを感じる。
けれど、その冷たささえも、どこか心地よかった。

**

ふと、テーブルの上に置かれたスマホが目に入る。
“夫”からのLINEが、一件。

「終わった? そろそろ迎えに行くよ」

心臓が、どくん、と音を立てた。
“終わった”という言葉に、私は思わず笑ってしまいそうになる。
――これは、終わりじゃない。始まってしまったのだ。

**

その証拠に、私はもう、身体のどこかで次を期待していた。
また誰かに抱かれることを。
夫の友人か、また別の男か。
もう、“誰でも”ではなく、“誰かに抱かれたい”と、身体が疼いていた。

私は確かに、目覚めてしまった。

**

夫の迎えの車に乗り込むと、車内には少し沈黙が流れた。
助手席の私を横目に見ながら、夫が小さく訊いた。

「……どうだった?」

私は、笑った。

「……覚えてないわよ。全部」

嘘だった。
指の動きも、挿れられた瞬間の衝撃も、
絶頂で身体が弓なりになったあの瞬間も、
全部、焼きついて離れない。

夫は何も言わず、前を向いたまま、ハンドルを握っていた。

**

けれど私は知っていた。
彼もまた、知っているということを。

あのとき、私はもう“演じる女”ではなかった。
酔ったふりも、寝たふりも、すべて脱ぎ捨てて――
ひとりの女として、欲望の中で咲き乱れていた。

その姿を、きっと夫は見たかったのだ。

**

数日後、夫が言った。

「洋介も、お前に興味あるって。……また、やる?」

その声に、私は驚かなかった。
ただ静かに頷いた。

心の奥で、熱がゆっくりと目を覚ます。
濡れた夜の記憶が、再び脈打ちはじめる。

**

“これは一度だけ”
――そう言って始まった夜だった。

けれど、あの夜を境に、私は変わった。
誰かに抱かれることでしか、もう満たされない場所が、
確かに私の中にできてしまったのだ。

それは罪でも裏切りでもない。
私は今、“女”として、生きはじめた。

そしてまた、今日も、
唇に艶を乗せ、ランジェリーを丁寧に選ぶ。

次の“目覚め”を、静かに待ちながら――。

止まらないなら、もう踏み込んで。

鏡の前で縛られ、犯●れた過去を持つ人妻・桃果。数年後、アイツが彼女の前に現れた。偶然にも夫の上司だったのだ。トラウマを払拭出来ない桃果は、彼の調教を受け入れるしかなかった。鏡の前で縛られ、夫の前で辱められ、ドM奴●へと変貌させられていく。※この作品は「鏡の前で縛られて… 小川桃果」(品番:2wss00281)を再編集したものです。



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