【第一幕:癒しと憧れの、あの指先】
太ももを痛めたのは、最後の大会を目前に控えた冬のある朝だった。
バスケ部。高校3年生。もう戻れない時間を、全力で駆け抜けようとしていた私の脚は、ある朝、限界を超えて悲鳴をあげた。
「無理しすぎたね」
近くの整骨院でそう言ったのが、新庄先生だった。
柔らかな笑顔と、整った横顔。そしてなにより――手。
初めて太ももに触れられた瞬間、
その掌に、私は不思議な信頼と、とろけるような心地よさを覚えた。
30代前半、未婚。
冗談を交えながらも、施術はどこまでも誠実で。
その指が筋をなぞるたびに、
私は痛みとともに、何か別の疼きを覚えていた。
「無理しちゃだめだよ。萌ちゃんの足、すごく綺麗だから」
そんな言葉が、まるで体温のように心に染み込んだ。
春休み。
「金曜は休診だけど、よければ、特別に診るよ」
私だけに差し出された、秘密の時間。
それがどんな意味を孕んでいたのか――
ミニスカートを選んだ私は、たぶんもう知っていた。
【第二幕:指の迷い、私の覚悟】
午後3時。
施術室のカーテンがゆっくりと閉じられ、
空間は、外界から切り離された。
「いつもより、緊張してる?」
そう訊かれ、私は頷いた。
その日は、生理の直前。
身体が過敏に熱を持ち、
下腹の奥が、ずっとムズムズと疼いていた。
太ももをなぞる手。
内ももに近づくたび、息が浅くなる。
私は目を閉じた。
けれど、意識はそこにしか向いていなかった。
そのとき――
「……今日は、もっと気持ちよくしてあげたい」
囁くような声とともに、手がスカートの裾をやさしく押し上げる。
驚く間もなく、指が布越しにあの場所を撫でた。
「……濡れてる、ね」
思わず太腿を閉じようとした私に、
先生はそっと手を重ねた。
「いやなら、やめる。でも……顔が、違うよ」
顔を見られていた。
熱くなった頬と、濡れたままの私の奥を。
私は、小さく「お願いします」と呟いた。
それは、自分への赦しだった。
【第三幕:快楽と再生の、透明な記憶】
「声、我慢しなくていいよ」
そう言って、先生は私の脚をゆっくりと開かせた。
パンツは、いつの間にか脱がされていて、
その上に広がる空気の冷たさが、余計に奥を濡らしていく。
彼の舌が、太ももから、柔らかな丘をなぞり、
胸元のシャツをはだけながら、
ゆっくりと乳房を包み込むように吸い寄せていく。
「こんな風に触れられるの、初めて……」
かすれた声が喉を震わせ、
私はもう、どこにも力を入れられなくなっていた。
奥へと進む指。
広げられる感覚とともに、
何かが壊れていくような甘い痛み。
そして――彼のものが、私の中へと沈んできた。
ゆっくり、深く、満たされていくたびに、
心と身体が解けてゆくのがわかった。
私はただ、
「あぁ、先生……」
と、何度も名前を呼びながら、
波のように押し寄せる悦びの中で、
何度も身体を跳ねさせ、しがみついていた。
最後のひと突きで、
世界が静かに砕け散った。
終わったあと、先生は
私の髪を撫でてくれた。
「こんなに愛らしい子が、自分を選んでくれるなんて」
その言葉に、涙がにじんだ。
欲しかったのは、
ただ触れられることじゃない。
ちゃんと「私」として、見てほしかったのだと、気づいた。
【余韻:私の身体が覚えている、恋の記憶】
あれから、毎週金曜日。
私は「特別な施術」を受けている。
先生と過ごす時間のなかで、
私は身体の悦びと、心のやすらぎの区別がつかなくなっていった。
でも、きっとそれでいい。
この春、私は一度きりの恋に落ちたのだ。
癒しの手に、快楽の熱に――
そして、
“私を女性として目覚めさせてくれた、あの人”に。



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