第一章:登山道の汗と午後の気配、名も知らぬ彼とのすれ違い
昼間の山には、秘密がある。
静かで、誰にも見られない。
だから私は、そこへ登る。
週に三度、午前の洗濯を終え、炊飯器の保温を確認し、仕事のメールに一通り返信したら、黒いレギンスに淡いグレーの速乾シャツを身につけて、近所の山へ向かう。
登山というほどの高さではない。標高はわずか280メートル。札幌の住宅地から少し外れた低山。
それでも、山には“湿度”がある。日常とは違う空気が、私を包む。女としての“皮膚”が剥がれていくような、特別な場所。
夫は3ヶ月前から単身赴任。
食卓に一人、歯ブラシも一人分。
私は誰にも触れられない女になり、ただ年齢と肌の乾きを数える日々を送っていた。
そんな日々の中で、私は彼と、出会ってしまった。
それは、ある火曜日の午後1時半すぎだった。
気温26度。風はなく、空気はやや重く、登山道の土は湿っていた。
私は山腹のなだらかなカーブに差し掛かっていた。呼吸は少しだけ早く、うなじの汗を右手で払いながら足を進める。
そこに、彼は現れた。
風のように。音もなく、するりと視界の端に差し込んできた。
白いTシャツ。濡れていた。
張りついた胸筋の線が、汗で透けていた。
黒のランニングタイツに、わずかに引き締まった太腿が覗く。
年齢は……20歳? いや、19かもしれない。
とにかく、15歳は離れているはずだった。
「こんにちは」
擦れ違いざま、声をかけられた。
風よりもやわらかく、でも身体の中心をすっと撫でていくような声。
思わず、私は歩を止め、軽く頷いた。
でもその一瞬の視線が、あまりに“真っ直ぐ”で――私はなぜか呼吸を整えなければならなかった。
彼の背中が遠ざかる。けれど、鼻腔には彼の汗のにおいが、確かに残っていた。
若さと皮脂と、わずかに洗剤の香りのする、汗。
私は、汗のにおいで、久しぶりに“性感”を思い出していた。
翌週の木曜、また彼は現れた。
午後2時を過ぎたあたりで、斜面の向こうから音もなく現れ、
「こんにちは、また会いましたね」と笑った。
白い歯。まっすぐな瞳。
こんな場所で、そんな目を向けてくるなんて――。
私は、何も返せずにうつむきながら、内腿がじんわり熱くなるのを感じていた。
それから、三度目の金曜日。
彼は言った。
「よかったら、一緒に、登りませんか?」
その言葉の裏に、彼は何も含ませていなかった。
ただ、涼しい声で、まっすぐに、私を“ひとりの登山者”として誘っただけだった。
けれど、私はそのとき、喉元までこみあげていた“女”の衝動を、すでに抑えきれなくなっていた。
足を並べて歩く彼の横顔。
肌が若く、熱を持ち、髪の間に滴る汗までもが官能だった。
すれ違うときにはわからなかった匂いが、身体に近づくたびに私を包む。
私はその匂いに、ゆっくりと、心の中で脚を開き始めていた。
彼の名前も知らない。
でもその無名の彼の“存在そのもの”が、私の性感をゆっくりと温めていく。
登山道は、午後の光をまとって静かだった。
鳥の声、私たちの足音、そして彼の汗の香り――。
それだけが、この場所に存在していた。
私はまだ、夫にも、誰にも知られていない女だった。
だが、名も知らぬ彼の視線の中で、確かに私は“発情”し始めていた。
第二章:捻挫のふりで誘う、山の密林の快楽
「大丈夫ですか?」
その言葉が、私の欲望を決壊させた合図だった。
軽く足首をひねったふりをしたのは、まるで反射のようだった。
登山道のカーブ、苔むした岩が点在するエリアで、私はわざと小さく足を滑らせた。
「……あっ」
声を出すタイミングも、何度も脳内でリハーサルしたように自然だった。
彼はすぐに駆け寄り、しゃがみ込んだ。
汗を滲ませたTシャツから、熱が伝わる。
膝をついて、私の足に触れた指先。
その第一関節がレギンス越しにくるぶしの少し上をなぞった瞬間――私は息を止めた。
「少し冷えてる……」
彼がそう呟き、指をゆっくり押し当ててくる。
たったそれだけのことで、脳が白くなるほどの感覚が、全身に走った。
「こっちに、腰かけられる岩があります」
私は素直に従った。というより、すでに抗う余地がなかった。
木漏れ日が斑に落ちる、しっとりとした地面。
腰かけた岩肌が、ひんやりとしているのに、身体の内側は異常なほど熱かった。
彼の手が、ゆっくりとレギンスの裾をたくし上げる。
すね、膝、太腿のラインに触れぬよう、それでいて“肌”を確かめるような指先。
「痛くは……なさそうですね。でも冷えてる。あたためた方がいいかも」
そう言って、彼は私の足首を両手で包み込んだ。
熱が伝わる。
ゆっくり、じんわりと、私の中の深い場所まで、その熱が染み込んでくる。
私はもう、役目の終わった“捻挫”のふりを忘れていた。
彼の視線が、私の膝を越えて、太腿に吸いついているのがわかる。
濡れたレギンスが、汗でぴたりと張りついていた。
その張りついた黒い布の向こう側で、私はもう濡れていた。
「……ねえ」
私は、自分の声がひどく濁っているのに気づいた。
「足……じゃなくて、触れてほしいところ、あるかも」
彼は一瞬だけ目を見開いた。
けれど、次の瞬間には、もう私の脚の間に指を差し入れていた。
レギンスのウエストが、ゆっくりと下ろされる。
太腿が、空気にさらされ、山の湿った匂いと汗が混じった香りが私の鼻に漂う。
下着の上から、彼の指がそっと撫でた。
その瞬間、私は耐えきれずに声を漏らした。
「……もう、濡れてる」
彼がそう言った。
そして下着を指で押しのけ、じかに触れてくる。
熱い指先が、私の最も柔らかい場所に沈むとき――私は、目を閉じて震えた。
「こんなに……」
彼の囁きは、驚きと興奮で少しだけ掠れていた。
やがて、彼の唇が私の首に触れ、額に、頬に、唇に。
交わるようなキスではない。ただ、慈しむような口づけ。
その唇が、胸元に落ちてきたとき、私は自分からシャツの裾を持ち上げた。
下着の上から乳房を包まれ、親指がゆっくりと頂点を撫でる。
身体が、きゅうっと反応する。
自分でも信じられないほど、私の身体は彼に“開かれて”いた。
「して……ほしい」
その言葉が、口からこぼれたとき、私はもう後戻りができない場所にいた。
彼が自らのタイツを下げる。
その先端が熱を帯び、張りつめていたのを、私は見つめた。
若く、荒々しいほどの熱。
それを受け入れるとき、私はまるで水に沈むように腰を落とした。
「……きつい……でも、気持ちいい」
挿入された瞬間、山の空気が変わった気がした。
葉が揺れ、光が乱れ、土の匂いが生々しくなった。
彼は奥まで届くたび、何度も私の名前を呼ばないまま、私を突き上げた。
それがどれほど淫靡で、幸福だったか。
名前を知らないまま、ここまで深く繋がれるなんて、知らなかった。
レギンスは膝まで下がったまま、彼の腰の動きに合わせて私の身体が揺れる。
岩に背を預け、彼の汗が落ちてくるたび、私の快楽は高まった。
脳の奥で星が弾け、言葉が消え、ただ“感じること”だけが私の存在理由になっていた。
「イク……かも……」
彼がそう告げた瞬間、私も達していた。
息が詰まり、脚が震え、喉元でかき消された声がこだまする。
それは、ただの行為ではなかった。
山の中で、誰にも知られない快楽の中で、私は女として“救われて”いた。
第三章:降りたら、すべて夢になるのだとしても
山を下りてから、私たちは無言だった。
何かを問いかける必要も、確かめ合う必要もなかった。
ただ、並んで歩くだけで、肌の内側がまだ彼を求めているのがわかる。
脚の奥、わずかに引きずるような違和感。
それが、さっき彼を“受け入れた”証だった。
「……このまま、どこか行きませんか」
山のふもと。小さなコンビニの脇で、彼がふと口にした。
その声は少しかすれていて、瞳はまだ熱かった。
私は頷いた。
言葉は不要だった。
――ラブホテル。
住宅地の奥、山の麓にひっそりとある、木々に囲まれた一軒。
日曜の午後、車は数台。
フロントで支払いを済ませる彼の背中を見ながら、私は唇を噛んでいた。
この選択が、何を意味するのか。
考える余地などなかった。
部屋に入ると、彼はすぐに振り返り、私を抱き寄せた。
息が混ざる。首筋に唇が触れる。
たった数時間前、山の中で交わったばかりなのに――
私の身体はもう、彼の熱を、芯から欲していた。
「ちゃんと、見たい……」
彼が言った。
それは、お願いのようで、命令のようだった。
私はシャツを脱ぎ、レギンスをするりと下ろした。
下着も、ためらいなく外した。
鏡の中で、裸の自分が映る。
35歳。女。人妻。
でも、彼の視線が触れるだけで、そのすべてが“美しい”と錯覚できる。
「きれい……」
彼は、そう呟いて、私の腰に手を回した。
唇が胸に触れ、指が背中を這う。
ベッドに倒れ込むと、彼はすぐに身体を重ねてきた。
若さ。重み。息遣い。
さっき山で交わったときとは違う――
今度は、もっと深く、もっと濃く、私の奥を求めてくる。
彼の舌が、私の身体をなぞる。
乳房を吸われ、尖った部分に歯が軽く触れるたび、腰が跳ねた。
下腹の奥に、熱がゆっくりと溜まっていく。
「もう我慢できない」
そう言った彼の声が、震えていた。
私は脚を大きく開いた。
そして、彼が熱を携えたそれを私の中に沈めてくるのを、全身で受け止めた。
「……っ、深い……」
入ってくるたび、私は指先が痺れるほどの快感を味わっていた。
彼の動きは激しく、けれど繊細で、奥を突かれるたびに甘い声が漏れてしまう。
腰を打ちつけるたび、ベッドが軋み、汗が混ざる。
「もっと、動いて……奥を……」
自分でも信じられないほど、私は言葉を口にしていた。
淫らで、でも正直で、ただ彼に“欲しい”と叫び続ける。
彼の手が私の脚の裏にまわり、ぐっと押し広げる。
その体勢で突き上げられた瞬間、私は自分の理性がほどけていくのを感じた。
「イッて……いい?」
「一緒に……」
彼の名を知らないまま、絶頂を迎える。
その瞬間、世界が反転する。
光が揺れ、身体が浮き、奥の奥で脈打つ感覚が波のように全身を洗っていく。
彼も果てたあと、しばらく抱きしめ合っていた。
沈黙の中で、私たちはただ、汗と快楽の余韻に包まれていた。
窓の外、夏の空が暮れていく。
一歩外に出れば、私はまた“人妻”であり、35歳の女性であり、
この出来事は現実にあってはならない“夢”になる。
でも、それでも。
彼が私に与えたものは、ただの快楽ではなかった。
“女として、もう一度生まれ変わる感覚”。
名も知らぬ男に、私は赦され、そしてほどかれた。
今、ベッドの上で眠る彼の横顔を見ながら――
私は確かに、幸せだった。
この快楽が、罰であっても構わない。
一度、あの山で出会ってしまったのだから。
すべては、もう戻れない。
止まらないなら、もう踏み込んで。
ご依頼をされる旦那様に共通しているのが、奥様を愛しているということです。
愛してるのになぜ…?と思われる方は多いと思いますがここが大事なポイントです。
好きだからこそのNTRなのです。
大好きで結婚したのに子供ができてセックスレス、愛しているけどセックスはできないみたいな旦那さんが結構いらっしゃいます。奥様に対する執着のすごさは目を見張るものがあります。
執着と愛は違う…愛は相手の幸福を願う感情である一方、執着は「失いたくない」「必要だ」という不安や恐れから生まれることが多いそうです。



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