家庭教師の私が“教えられる側”に堕ちた夜──医師の父と背徳の官能体験談

大学4年生の春。
就職も決まり、単位もすべて取り終えた私は、少しだけ時間に余裕ができた。
それで、家庭教師のバイトを始めた。

担当するのは中学3年の女の子。
品のいい住宅街にある、白い一軒家に住むその子は、口数が少なくて繊細で、それでいてどこか大人びていた。
初回の挨拶のとき、玄関を開けてくれたのが彼──少女の父、高瀬さんだった。

「娘がよろしくお願いします」
そう言って微笑んだ彼は、医師だった。
40代半ばくらいだろうか。整った顔立ちに無駄のない身体、抑制された落ち着き。
その一瞬で、私は、言いようのない“距離感”を意識してしまった。


毎週水曜と土曜の夕方。
いつも娘さんは勉強机に向かい、私は横で問題を出したり丸をつけたりする。
そのあいだ、高瀬さんはリビングの奥で本を読んでいたり、紅茶を淹れていたりした。

そして、ある日を境に、少女が急に「体調が悪い」と部屋に閉じこもるようになった。
代わりに、「せっかく来てもらったのに悪いから」と彼が私をリビングに通すようになった。

「進路の話、少しだけ聞いてもらってもいいですか?」

その日は静かな雨が降っていて、外も薄暗かった。
柔らかい照明、穏やかなクラシック、そして彼が差し出したカップ。
私はなんとなく、体を預けすぎてしまった気がしていた。


話は自然と広がり、教育の話、親としての不安、夫婦間の考え方の違い…
やがて彼は、ふと目を伏せるように言った。

「妻は、看護師で夜勤が多くて。…夫婦の時間って、なくなるもんですね」

その言葉に、私はなぜか息が詰まった。
「うちの両親も同じなんです。父が医者で、母が看護師。すれ違ってるのが当たり前の家で育ちました」

そう言った私の声が、思いのほかかすれていた。

「それ、寂しかったんじゃないですか?」

彼の問いかけは優しかった。でも、芯があった。
そのまなざしに見つめられたとき、私は何も言えなくなっていた。


その夜、私は夢を見た。
広くて静かなあの家で、白いシャツのままの彼に背後から抱きしめられ、髪を撫でられる夢。

夢の中の私は、まるで自分の意志ではないように、ゆっくりと膝をつき、彼の胸に顔を埋めていた。
触れられる指の温度、背中に回る腕の重さ、そのすべてが、現実よりも濃く私を支配していた。

目覚めたとき、私は手のひらに汗をにじませていた。


次の水曜日、また娘さんは姿を見せなかった。
「ごめんなさいね、先生。今日もよかったら少し、お時間いいですか?」

彼は、前より少しだけ近くに座った。
同じソファに、肘が触れるか触れないかの距離。

話す内容は他愛ないのに、会話の節々に緊張感が滲む。
私の膝に落ちた髪を、彼がふと指先で直してくれた瞬間、空気が変わった。

「……このままだと、たぶん…私は自分を止められません」

彼の声は震えていた。
でもその目は、私の奥を見ていた。

私は静かに頷いた。
その頷きが、すべての扉を開けてしまった。

白いシャツのボタンが、ひとつ、またひとつと外されていくたびに、
私はまるで自分が“脱がされる存在”であることに、身体の奥がざわついていた。

彼の手は、慎重で丁寧だった。
けれどその慎重さは、私を“扱っている”のではなく、
まるでずっと前から私を知っていたかのように、最短距離で欲望の核に触れてくるようだった。

「怖くはない?」
「…あなたの声が、怖さを全部溶かしてくれる」

そう言った瞬間、彼は私の太ももに手を滑らせた。
ストッキングの編み目をゆっくりなぞる指先が、内腿の柔らかさに触れるたび、
私は浅く息を吐いた。
まるで触れられている場所だけが、温度を持っていくようだった。

そしてショーツの布の上から、ひと筋なぞられた瞬間。
脳がかすかにしびれるような、甘い衝撃が走った。


「……もう、濡れてる」

彼が囁く声は低く、湿っていた。
私は返事をする代わりに、そっと脚を開いた。
羞恥と快感が背中合わせになったその一瞬、彼の指が布地の内側に滑り込んでくる。

「……っあ……ん」

唇を噛んでも、声は漏れた。
細くてしなやかな指先が、濡れた花びらを優しくなぞり、
中心の敏感な部分を、そっと円を描くように愛撫する。
私は、呼吸を忘れていた。


「まだ、指しか使ってないのに……こんなに感じるんだ」

その声に、私は目を閉じて首を振った。
そんなこと、口に出されたら、もう恥ずかしくて壊れてしまいそうだった。

でも彼は、さらに一歩深く踏み込んでくる。
第二関節まで、ゆっくりと沈めてくる指。
そのたびに私は奥で震え、身体が勝手に迎え入れてしまう。

「締めつけが……すごい」

そう言って、彼はもう一本、指を足した。
その太さと圧に、思わず腰が跳ね上がった。
彼の指が、私の中でくちゅり、と音を立てながら蠢く。

「ダメ……そんなに動かしたら、私…あ……っ、ああん…!」

全身を駆け巡る熱の波が、瞬く間に私を覆い尽くした。
下腹部が脈を打つたび、身体は勝手に何度も収縮する。
私はその波に何度も呑まれ、声にならない喘ぎを洩らし続けた。


「大丈夫。まだ、終わりじゃない」

そう囁いた彼が、私の足元に片膝をついた。
スカートの裾をさらに持ち上げ、完全に露わになった私の脚のあいだから、顔を近づける。

「……お願い、それは…っ」

もう止められない。
彼の舌が、ゆっくりと、そこに触れた。

濡れた花びらを舌がなぞり、尖った部分を吸い上げるたびに、
私は腰を浮かせ、両脚で彼の肩を締めつけてしまう。
舌と指の複合的な愛撫。
そこに医師としての解剖学的理解が加わることが、
逆に私をぞっとするほどの快感へと導いていった。


「もう、入れて……お願い……もう限界なの……」

自分の口からそんな言葉が漏れることに驚きながらも、
私は確かにそれを望んでいた。
彼はパンツの前を外し、熱を露わにし、私の身体の上に重なった。

「じゃあ、ゆっくり…君を壊す」

その低く熱い声を最後に、彼がゆっくりと私の中へ沈んでいった。


入り口が押し開かれ、奥へ、さらに奥へと進んでいく圧。
濡れた音が部屋に響き、汗が、肌と肌の間で混ざり合う。
私は彼の腰を脚で引き寄せ、もっと奥まで来てと無言で訴えた。

「こんなに…吸い付くなんて…君の中が、全部俺を包み込んでる」

彼の囁きに、私は果てそうになった。
ただの挿入ではなく、貫かれるたびに“記憶”が刻まれていくようだった。
それが怖くて、それ以上に、快感だった。


身体が何度も波に飲まれ、やがて、私は果てた。
声も出せないまま、爪が彼の背中に食い込み、喉の奥から涙がにじんだ。

「……泣いてるの?」

「……すごすぎて……もうわかんない」

彼が私の額にキスを落とし、髪を撫でた。
その仕草が、私を女として扱ってくれているのだと、初めて理解した。


リビングの時計が、午前1時をまわっていた。
私は彼のシャツを着たまま、ぼんやりとソファに寄りかかっていた。

「帰さなきゃいけないのに、抱きしめたままでごめんね」

「ううん。…もう、帰る場所が分からなくなりそう」

その言葉が意味するものに、彼は何も返さなかった。
けれど私の肩を、そっと強く抱き寄せた。


それでも、私は水曜日をやめられない。
誰にも言えないこの時間の中でしか、私は本当に“女”でいられないから。

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