第1幕:純白の婚約者の隣で、私だけが濡れていた
札幌・円山の某高級ブライダルサロンは、
平日の昼下がりにしては珍しく、予約で静かに埋まっていた。
その日の午後一番に現れたのは、
六月に挙式予定のカップル――高瀬 颯真(たかせ・そうま)さんと、その婚約者。
彼女は柔らかな雰囲気を纏った女性で、
細身のワンピースを品よく着こなしていた。
彼はグレージュのスーツに淡いネクタイ、整った横顔が印象的だった。
私は、ウェディングプランナー。
名前は沢木 葵(さわき・あおい)、二十五歳。
「清楚」「丁寧」「真面目そう」――そう言われるのが、私の“制服”だった。
けれど、誰にも見せない顔がある。
それは、結婚を目前に控えた新郎を、
“幸せの直前”でそっと寝取ることに、身体ごと濡れてしまう私の性癖。
今日のために身に着けてきたのは、
真珠色のフランス製ランジェリー。
透けるほどに繊細なレースの縁が、下腹のあたりで静かに呼吸していた。
「こういう装花、可愛いね」
「うん、〇〇ちゃん好きそうだなと思ってて」
ふたりの会話は、眩しいくらいまっすぐで。
私はそれに微笑を返しながら、
彼の視線の“泳ぎ方”にだけ意識を集中させていた。
資料を広げるタイミングで、私はわざと隣に椅子を寄せた。
身体を少し傾けて、
膝を組み替える。
――その瞬間、スカートの奥から
真珠色の下着が、ほんの一瞬だけ“偶然”覗いた。
彼の目がそこに釘付けになったのを、私ははっきりと感じた。
目をそらそうとしたその反射の速さが、何よりの証拠だった。
「すみません、ちょっとスカートが……」
私がスカートを整える仕草をすると、彼の喉がごくりと動く。
彼女は気づいていない。
けれど彼だけが見た、“私の下着”という秘密。
終盤、私は自然な流れを装って言った。
「おふたりのお好みのテイスト、かなり異なる点もあるように思いますので…
差し支えなければ、LINEを交換してもよろしいでしょうか?」
「え? …あ、はい」
彼女がスマートフォンを出す。
続いて、彼も少し照れたように画面を掲げる。
私はふたりのQRコードを読み取ったあと、
高瀬さんのプロフィール名の横に、そっと「👔」の絵文字を付けた。
この日、この瞬間だけが、ふたりの幸せの形じゃないと、
彼の視線が教えてくれたから。
第2幕:動画の打ち合わせと称して、私はこの家に初めて濡れた音を響かせた
LINEを交換してから数日後の夜。
札幌の雨上がりの空気を吸いながら、私はベッドの上でスマホを見つめていた。
“高瀬颯真”という名前の横に表示された、23時過ぎのオンラインマーク。
仕事の余韻がまだ身体に残っている時間だろう。
私は静かに、そして慎重にメッセージを打ち込んだ。
こんばんは。ひとつご提案なのですが……
おふたりの想い出写真を使って、サプライズムービーを作ってみませんか?
式の演出で、新婦さまが驚かれるような――
そのために、できれば「新居でアルバム」を拝見したくて…。
この文面を打つ指先が、内腿のあたりを無意識に撫でていた。
それは“業務連絡”の顔をした、私の欲望の触手だった。
返事はすぐに来た。
いいですね、それ。
アルバム、家にあるのでよければ。
今週、彼女が夜勤なので、昼間はたいてい僕ひとりです。
私はスマホを伏せ、脚を閉じた。
そのとき、ショーツのクロッチ部分がじんわりと湿っているのに気づいた。
彼は、来ていいと言った。
新居に。ふたりきりで。アルバムを口実に。
木曜の午後。
札幌の空は晴れていて、だけど風が強く、スカートの裾がひらりと揺れた。
今日の私の装いは、ベージュのとろみシャツとネイビーのタイトスカート。
下着は、真っ白なレースのセット。
まるで花嫁のような色を、彼にだけ脱がせてもらうための選択だった。
ピンポン、とチャイムを鳴らす。
「……ようこそ」
扉を開けた彼は、シャツの腕をまくり、ラフなパンツ姿。
けれどその瞳には、あの日の“下着の記憶”がまだ焼きついている気がした。
「これ、よかったらどうぞ」
彼がテーブルに置いたのは、黒い革表紙の大きなアルバム。
婚約者と旅行に行った写真。
ふたりで指輪を選んだときの写真。
笑顔。笑顔。笑顔――
私はそのページを、無言でめくりながら、
内側で全身が熱くなっていくのを感じていた。
「…素敵ですね。すごく、まっすぐで」
「……そう見えますか?」
彼の声が少し低くなる。
私たちは、もうアルバムのページではなく、互いの影だけを見つめ始めていた。
「この辺りで、ムービーに使えそうな写真、選んでもいいですか?」
私はそう言いながら、ソファに移動する。
狭いスペースに並んで座る。
彼の肩と私の腕が、ほんの数ミリだけ触れあっていた。
「……さっきから、香水の香り、違いますね」
彼がぽつりと呟いた。
私は笑った。
「今日だけ。演出モードなので」
そして、すっと脚を組み替えた。
スカートの奥で、白いレースがわざとらしく覗いた。
彼が沈黙する。
私はわかっていて、もう一度ページをめくるふりをする。
「もし……今日、ムービーの“最初のシーン”が、
たとえば、“私がこの家にいる”っていうのから始まったら――」
「……え?」
「演出、です。秘密の。あなたが“ほんとうに欲しいもの”に、
一度だけ手を伸ばした記録」
そう囁いた瞬間。
彼の指が、私の太ももに触れた。
レースの下から感じる熱。
唇が近づく音。
指先が、ショーツの端に触れるたび、私の全身が震える。
「あなたの奥さんがいない時間に……
あなたの中にだけ、私を残してほしい」
私は目を閉じ、
自分の存在が、彼の新居という“はじまりの場所”に、
最初に刻みつけられる罪そのものだと感じていた。
――アルバムのページの裏で、
私の下着が、彼の手でそっとずらされていく。
第3幕:果てたあとの沈黙に、あなたの匂いだけが残っていた
アルバムのページが開いたまま、
その上に私の髪が落ちる。
高瀬さんの指が、静かに私の太ももをなぞった。
スカートの奥――真っ白なレース越しに、
私の熱が、かすかに指先を濡らす。
「…こんなに、濡れてるんだ」
「あなたが、来てほしいって言ったから」
レースの端がゆっくりとずらされていく。
ほどかれるのではなく、**“剥がされる”**ように。
新居のリビング。
まだ花嫁さえも知らないこの場所で、
私は、“最初に”開かれる女になる。
指が触れた瞬間、
そこはもう、とろりと開いていた。
音を立てないように震える腰。
けれど身体は、もう限界を超えて彼を待っていた。
彼の指先が私の奥をゆっくり撫でるたび、
息が、喉の奥で引っかかる。
ソファの背もたれに手を添えながら、
私はひざを割って、自分の身体を彼の前に差し出した。
「……挿れて」
その言葉が漏れたとき、
彼のシャツの胸元から、汗の匂いと息が重なる。
彼が腰を沈める。
熱が、ゆっくりと入ってくる。
私は喉を詰まらせながら、彼を迎え入れた。
「ああ……そんなに……」
彼のものが、奥に届いた瞬間、
私の中が、びくりと跳ねて締まる。
「……締めすぎ、葵さん……っ」
「だって……あなただけだから」
私は脚を絡めた。
まるで、絶対に離さないと誓うように。
奥まで挿れたまま、彼が一度止まる。
ゆっくりと、私の中を味わうように――
そして、
一気に突き上げた。
「……っあ……ッ!」
奥に響く音。
私の湿った熱が、彼のものを包み込む。
打ちつけるたびに、濡れた音がリビングに滲む。
ずっと欲しかった。
最初のページを私にしてほしかった。
「奥さんより先に、この家で果てた女になりたかった」
彼の腰が止まらない。
私の中は、とろとろと溢れ、
蜜が腿をつたって滴る。
「……もう、中で出して……奥に……」
「いいのか、そんなこと……」
「私の中、あなたのものにして……」
花嫁の部屋ではない。
けれどこの午後だけは、
私は紛れもなく、この家で最も深く彼に挿れられた女だった。
そして――
ぐっ、と奥で震えるように、彼が果てた。
中で、どくどくと彼の熱が脈打つ。
私は背中を反らせて、そのすべてを受け止めた。
気づけば、彼の胸に顔を埋めていた。
まだ繋がったままの身体。
汗と蜜と快楽の名残が、
この部屋の空気にしっとりと染みこんでいく。
誰にも知られない。
でも、私の中には彼のすべてが残っている。
「……これ、動画の冒頭には使えませんね」
私が笑いながらそう言うと、
彼も静かに笑った。
けれどその目には、少し怯えたような、
もう引き返せないと知ってしまった人の色が滲んでいた。
私のショーツは、彼のズボンのポケットに入れられたまま。
この家のどこかに、私の匂いが残っている。
そして私は、何食わぬ顔でサロンに戻り、
次の打ち合わせに向かう。
“清楚で真面目そうなウェディングプランナー”の仮面をかぶったまま、
また別の新郎に、
「サプライズ演出、試してみませんか?」と囁くために――
控室に落ちる鍵の音、私の奥が濡れ始めた
結婚式当日。
札幌の石造りのチャペル。
祭壇の裏側にあるスタッフ用控室で、私はそっと足音を忍ばせていた。
花嫁――高瀬颯真さんの婚約者は、今まさに最終メイクとドレスの調整中。
ブーケのリボンを直すため、付き添いのスタッフが控室を一時的に離れた。
そのほんの数分。
扉が閉まり、鍵がかかる。
室内には彼と私、ふたりだけの沈黙。
私はゆっくりと彼の前に立ち、
耳元に口を寄せて、声を落とす。
「……あと、5分だけ。あなたを私の中に入れてください」
彼の喉が、ゴクリと音を立てて揺れた。
ゆっくり跨る。私の奥で、あなたが膨らんでいく
私はスカートの裾を両手で持ち上げる。
ロング丈のスカートの奥。
今日、私は下着を穿いていない。
この瞬間のために、すべてを計算してきた。
無音のまま、彼の膝の上にゆっくりと跨る。
スーツのスラックスのファスナーを指先で下ろすと、
すでに滾っていた彼の中心が跳ねるように現れた。
「奥さまより先に、私で果ててください……お願い」
そう囁くと、私は自ら腰を沈めていった。
じゅぷっ……
一滴の蜜が、彼の先端を濡らし、
そのまま、ねっとりとした吸いつきで、
私の中に彼を迎え入れていく。
奥まで届いた瞬間、
膣がぴたりと締まり、
彼の熱を逃さないように飲み込む。
「……くっ、締まりすぎ……」
彼が息を殺す。
でも私は、もう止められない。
ゆっくりと腰を回す。
蜜を絡ませながら、
彼の肉が私の膣壁を、根元からこすり上げてくる。
スカートの裾はふたりを隠している。
けれど、中ではぐっちゅ、ぐっちゅと、
裏切りの湿った音が静かに鳴っていた。
絶頂と現実の交錯、チャペルの鐘が私たちを赦す前に
「…いく…いかせて、ください……」
彼の胸元に顔を押しつけながら、私は泣くように震える。
花嫁になるのは私じゃない。
けれど、“最初に奥で果てさせた女”は、私なのだと、
この5分で、刻みつけたかった。
彼の腰が、最後の一突きを奥まで沈める。
次の瞬間、どくっ…どくっと脈打つ熱が、
私の最奥を叩くように注ぎ込まれる。
「中に……全部……」
私は、彼の熱を吸い込みながら、
喉の奥で喘ぎを殺して、目を閉じる。
白いスーツのシャツに、私の唇が触れた。
それは「ありがとう」と「さようなら」が交わる場所。
スカートをそっと整え、
蜜が滴る内腿を隠すように膝を閉じて、
私はふたたび“ウェディングプランナー”の顔を取り戻す。
「ご準備、整いました」
彼の耳にだけ、そう囁いた瞬間――
式の鐘が、遠くで鳴り始めた。
チャペルのドアが開く。
誰も知らない。
5分前、花嫁の座る椅子で、
私は先に、絶頂という誓いを果たしていた。



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