気功マッサージで感じた女の悦び  45歳女性の身体がほどけた午後

第一章:指先よりも深く、私の奥に触れてきたもの

雨のあと、濡れた石畳から、ほんのりと甘い土の匂いが立ち上っていた。

神楽坂。
柳がそっと肩に触れるように揺れている、午後の静かな裏通り。
私はそこにひとり、濃紺のカーディガンを羽織って佇んでいた。
45歳の誕生日を過ぎて間もない春。仕事では企画部のマネージャーとして、社内では“クールで隙がない”と言われている。
でも本当は――夜、ひとりベッドの上で、カーテンの向こうの街灯を見ながら、
何かに“抱かれたふり”をしないと眠れないほど、寂しかった。

私は、そういう女だった。

「気功マッサージ、初めてですか?」

静かに響いた低音に、振り向くと、そこには白衣姿の男が立っていた。
彼は私と同じか、少し年下だろう。長身で、端整というよりは“整いすぎていない色気”を纏った顔。黒目がちな瞳が、じっとこちらを見ていた。
その視線に、喉がひくりと動くのが自分でもわかった。

「ええ、正直、半信半疑で……」

「信じなくて大丈夫です。ただ、感じてもらえれば」

彼の名前は野村さん
気功師と呼ぶには若く、どこか内科医のような知性と、触れられたら溶けそうな静かな手を持っていた。

店は町屋を改装した個人サロンで、畳敷きの一室に施術台が一つだけ。
白檀と蜂蜜を混ぜたような、やわらかな香が満ちている。
天井には間接照明、遠くで微かに雅楽が流れているような気さえした。

「お身体、仰向けで。力を抜いて、息を吐いて」

私は言われるがまま、カーディガンを脱ぎ、キャミソールのまま施術台に横たわる。
どこか羞恥にも似た緊張が、肌を撫でていった。
野村さんの手が、私の両足のくるぶしにそっと添えられる。――その瞬間、びくりと腰が跳ねた。

(触れられた? でも……違う。これは――)

“触れていないのに、身体の奥が疼いている”。

「今、何か感じましたか?」

彼の声は、まるで“なにか”を知っているようだった。
私は無言で頷く。羞恥と欲望とがない交ぜになった顔を、彼には見られたくなかった。

「気は、女性の下腹部によく滞ります。感情も、熱も、喜びも、そこに隠されているから」

その言葉に、思わず脚を閉じようとしたけれど、彼の手がそっと膝下に滑り、穏やかに開かせる。
身体が、命令を聞かない。むしろ、開かれることに、どこか悦びすら感じていた。

「深く、静かに、吸って……吐いて。はい、もう一度」

彼の手が、腰骨のラインをなぞるように移動し、服越しに私の下腹部の中央へと降りてくる。

じんわりと、そこが熱くなる。
湿るのを自覚した瞬間、心まで溶けていくような感覚に包まれた。

――これは、マッサージではない。
私という“女”を、見抜いて、ゆっくりと開いていく儀式だった。

私は、もう戻れないところに片足を踏み入れていた。
そのくせ、戻る気なんて、まるでなかった。

第二章 罪と悦びの間で濡れる午後

「今日も、深くまで気が滞ってますね……特に、ここ」

彼の指先が、私の下腹部のすぐ上、丹田のあたりにそっと触れた。
――いや、“触れたような気がした”だけ。
現実には、肌と指のあいだに薄布がある。
けれど私は、そこが吸い込まれるように、甘くうねり始めているのをはっきり感じていた。

「あの……こういうのって、普通、なんですか?」

「普通、ではないかもしれません。でも……感じることに、“正しさ”なんてありませんよ」

微笑を含んだ声。
その柔らかい肯定に、私はまた、ひとつ抗う理由を失った。

**

施術は二度目だった。
最初の夜、私は帰り道で、脚のあいだが濡れているのを感じて、立ち止まった。
欲情?――そんな単純な言葉では片付けられなかった。
もっと深く、もっと生々しい“欲望の解放”が、私の身体を裏側から突き上げていた。

なのに私は、また来た。
午後の光に包まれた和室。
白いタオルケットの上で、私はキャミソール一枚だけを残して仰向けになっていた。

「今日は、呼吸を誘導しながら、気を流していきますね」

彼の手が、鎖骨から胸の下へとゆっくり滑っていく。
決して直接は触れない。けれど――そこが震えているのが、自分でもわかる。

乳房の脇をすれすれに指が通ると、硬くなった蕾がキャミソール越しに突き上がった。
恥ずかしいほど、はっきりと。
私のなかの“隠してきた女”が、呼び覚まされていく。

「吸って……そのまま吐いて。はい、今度はゆっくり、腹の奥から」

彼の声に誘われ、私は深く息を吐いた。
その瞬間、鼠蹊部に彼の手が触れる。
脚のつけ根、いちばん敏感で、いちばん無防備な場所――
そこを、服の上からなぞるだけで、下腹部が波打ち始めた。

(こんなことで……おかしい。どうして……)

そう思いながらも、逃れられなかった。
むしろ私は――

「もう少し……触れて……」

声にならないほどの囁きが、口唇からこぼれた。
彼の手が、さらに深く、内ももの奥へ。
そして、ある一点に、止まった。

**

じんっ――
何かが弾けた。
ビリビリと熱く、柔らかく、甘く、内側からこみ上げてくる感覚。

私は脚を震わせながら、彼の肩を掴んでいた。
視界がぼやけ、頭の中が白く染まっていく。
そして――

達してしまった。

衣服の上から、触れられただけで。
奥の奥で何かが痙攣するたび、息が漏れ、声が震え、下腹部が自分のものではないように跳ねた。

**

「ゆっくりで大丈夫です。……今、気が、全部、流れましたね」

彼の言葉に、私はただ頷いた。
恥も、理性も、すべて彼の掌のなかで融かされてしまった。

でも、泣きたくなるほど、満たされていた。
女として。人として。ずっと塞いでいた奥の部屋の窓が、初めて開け放たれたような――そんな感覚だった。

私は、堕ちていた。
それは堕落ではなく、“目覚め”だった。

第三章 静かにほどけていく本当の私

その日、私は“施術”を受けに来たわけじゃなかった。
理由を言葉にできないまま、ただ、身体の奥がうずくように彼のもとを訪れていた。

「……いつもより、呼吸が浅いですね」

野村さんは、私の目を見てそう言った。
その声に、私はもう、ごまかせないと思った。

「たぶん、あなたの手が……恋しくて」

そう口にした瞬間、自分の中の鎧が、音もなく崩れていくのを感じた。
彼は何も言わず、ただ立ち上がり、静かに灯りを落とした。
畳に差し込んでいた午後の光が沈み、部屋は淡い琥珀色に染まった。

**

キャミソールの肩紐が落とされる。
抵抗はなかった。むしろ、ずっとそうされるのを待っていた。
背中に手が回され、ブラのホックが音を立ててほどける。
それだけで、身体の奥がぴくりと震えた。

「触れていいですか?」

聞かれた瞬間、涙がこぼれた。
誰にも聞かれたことのない、その一言が、私の全身を包み込んだ。

「……お願いします」

そう答えると、彼の唇が、肩のくぼみにそっと触れた。
それは熱を含んだ風のようで、じわりと内側から濡れてくるのがわかった。

**

畳の上にゆっくりと横たえられ、下着がするりと抜かれていく。
もはや私は、自分の脚がどこまで開いているのかさえ、わからなかった。
羞恥も恐れも、すべてが静けさに変わっていた。

彼の舌が、脚の内側からゆっくりと上がってくる。
鼠蹊部を這い、私の中心に、そっと触れた。

「気は、ここに溜まるんです。……悦びの、芯に」

その言葉と同時に、柔らかく湿った舌が、私のそこをゆっくりとすくい上げた。

あまりに静かな愛撫だった。
けれど、だからこそ、波のように深く、強く、快感が押し寄せてきた。
呼吸が乱れ、腰が跳ね、彼の髪を掴んだ指先に、自分の熱が伝わる。

「やだ……もう、だめ……」

声が裏返り、脚がふるえ、背中が浮く。
けれど彼は逃がさない。
一度も焦らすことなく、私の奥を、丁寧に、執拗に、何度もなぞった。

私は――絶頂した。
でもそれは、“いく”というよりも、**“解かれる”**という感覚に近かった。

**

そのあと、彼はゆっくりと身体を重ねてきた。
挿入は、音もなく、深く、溶けるようだった。
彼の硬さが、ぬめるような湿度の中をゆっくりと通るたび、私の中がきゅっと締まり、また緩む。
視線が合った瞬間、すべてが繋がってしまった。

「……気持ちいい?」

「ううん、もう……あなたしか、感じられない……」

甘く濡れた空間の中で、私たちはゆっくりと揺れていた。
繰り返される深い挿入が、芯に届くたび、身体の奥で火が灯る。
やがてそれは燃え広がり、声も涙も愛も、区別がつかなくなっていった。

**

終わったあと、私は野村さんの胸の中でしばらく動けなかった。
まるで長い夢から醒めたような、静かな虚無感。
でもそれは、喪失ではなかった。

「気って……こんなに深く、人をほどいてしまうんですね」

「気じゃないですよ。あなた自身の中にあったものが、出てきただけです」

彼の声が、私の髪にかかる。
私は、静かに微笑んだ。
もう、誰かに何かを証明する必要はなかった。

**

あれから私は、定期的に“気”を受けに通っている。
でも本当は、それが何であれ、いいと思っている。
ただ、あの夜の私に、もう一度会いたいから。

本当の私は、誰かに“ほどかれて”初めて息をし始めた。

この体験談で興奮したら必見!!

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コメント

  1. YS より:

    素晴らしい体験談(官能小説?)でした。一つ一つの詩的な表現がスーッと浸透するようで、静かな情景が浮かんで来ました。
    この作品のように上品で知性のあるストーリーをもっと読んでみたいです。他にも作品ございましたら教えて頂きたいです。よろしくお願いいたします。

    • ちあき seiyokujosi.e より:

      ご感想、心からありがとうございます。

      ご覧いただいた作品は、実際に体験された方のリアルなお話を、可能な限り丁寧に、美しく、そして官能的に再構成したものです。
      だからこそ、描かれる感情や肌の記憶には、嘘のない“体温”が宿っています。

      今後も、このような上質で知性と余韻を伴う実体験のストーリーを、少しずつご紹介していく予定です。
      また、静かにときめくような物語に触れに、ぜひいらしてくださいね。

      • YS より:

        早々のお返事ありがとうございます。本当に素晴らしく、今すぐ弟子入りしたいくらいです笑

        そして申し訳ありません、こちらのサイトの作品は全て性欲女子さんの作品だったのですね。他の作品も読んでみて分かりました。

        大人の女心と、秘められた性欲をこのような美麗な文章で表現するのはなかなか出来ることではありません。これからも楽しみにしています。

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