後日——家族の夜
あの夜から数日が経ち、何事もなかったかのように日常が戻ってきた。
「唯人くん、久しぶり。」
夫と息子が唯人くんを連れて帰宅する。今日は家族全員が揃っての食事。食卓には賑やかな会話が広がる。私はキッチンで料理を並べながら、心の奥で小さな波が揺れるのを感じていた。
夫が笑いながらビールを開け、息子は唯人くんと並んで焼酎を楽しむ。私も少しだけグラスを傾けながら、彼の視線がふと私を追っているのを感じた。
「お酒、もう少しどう?」
私が微笑むと、唯人くんは静かに頷く。その横で夫が「もう飲みすぎたかな……」と笑いながらグラスを置く。
やがて、夫はほろ酔いでソファに横になり、息子も「少し休む……」と自室へと消えていった。
リビングに残されたのは、私と唯人くん——。
グラスを持つ手が少し震えているのを自覚しながら、私は彼の視線を感じた。
「……唯人くん、コーヒーでも淹れる?」
静寂が広がる中、私の問いかけに彼はゆっくりと頷いた——。
交差する視線、揺れる心
キッチンへ向かいながら、私は自分の心臓が早鐘を打っているのを感じた。落ち着いて、何事もなかったかのように振る舞わなければ。そう思うのに、身体が言うことを聞かない。
手元に集中しようとしながら、ふと振り向くと、唯人くんの視線が私の背中を追っていた。私は無意識のうちに髪をかき上げ、カーディガンの襟を直す。彼の目線がふと揺れたのを感じると、内心で小さく震えた。
「ブラックでいい?」
「……はい。」
彼の声が低く響く。静かな空間に漂うコーヒーの香りが、どこか甘く感じられた。
言葉にならない想い
カップを彼の前に置くと、指がかすかに触れた。その一瞬、私の内側を電流のようなものが走る。何でもない偶然のはずなのに、熱が指先に残る。
「菜摘さん……」
彼が名前を呼ぶ。その声音に、何か決意のようなものを感じた。
「何?」
そう返しながらも、私の声はわずかに震えていた。心が、身体が、理性を押し流そうとしている。
唯人くんがふっと息を吐く。その吐息が、私の肌をかすめた気がして、喉が鳴る。
「こないだからずっと菜摘さんのことばかり考えています。どうしても忘れられなくて……。」」
私は息をのんだ。心臓が締め付けられる。
「唯人くん……それは……」
言いかけた言葉が途切れる。
彼の指がそっと、私の手の甲に重なる。ほんの一瞬だけためらったような仕草の後、彼の瞳が私を強く見つめていた。
「ずっとこの想いを隠していました。でももう、抑えきれません。」」
静寂の中、時計の針が僅かに音を立てる。その音すら遠のいていく。
私は視線をそらすことができなかった。
——すぐそこに、夫がいる。
彼の寝息が微かに聞こえる。息子もすぐ近くにいる。
こんなにも近くに、家族がいるのに——。
けれど。
私は唯人くんから目をそらせなかった。
彼の指が私の頬をかすめた瞬間、すべての理性がゆっくりとほどけていった。
「唯人くん……」
彼の目が、熱を帯びている。
「菜摘さんのことを想うたびに、どうしようもなくなるんです。」」
その声が、耳の奥に焼き付く。
「……私も……」
私は自分の声が震えているのを感じた。戸惑いと、抗えない感情が絡み合う。
夜の静寂が、ふたりを包み込んでいく——。
触れ合う余韻、揺れる想い
時計の針が小さく時を刻む音だけが、静まり返った空間に響いていた。息をするたびに、空気が肌に絡みつくような感覚がする。
私は唯人くんを見つめた。彼の瞳の奥には、迷いと、それを振り払おうとする強い感情が交錯していた。
「唯人くん……」
もう何を言えばいいのかわからなかった。ただ、私の指先は彼の手を離れようとして、しかしそのまま止まる。
彼がゆっくりと近づいてくる。その動きに合わせるように、私の鼓動が速まるのを感じた。身体の奥が熱を帯び、冷静でいることが難しくなっていく。
——夫がすぐそばにいる。けれど、今日は早朝からゴルフの予定がある。お酒も飲み、深い眠りに落ちている。絶対に起きることはない——そう確信していた。
リビングのソファで眠る夫の寝息が、かすかに耳に届く。隣の部屋では息子が眠っている。
「……ずっと、この距離を超えたかった。」
唯人くんの声が静かに落ちる。
胸の奥がざわめいた。すべてを振り払うように、私はかすかに首を横に振る。
「だめ……こんなこと……」
けれど、その言葉はあまりにも弱々しく、私自身を納得させる力がなかった。
彼の指先がそっと私の頬をなぞる。
「菜摘さん……あぁ……はぁ……っ……」
その呼びかけに、私は震える息を吐いた。
彼の顔がゆっくりと近づき、次の瞬間、ふたりの間の静寂が崩れた。
窓の外では、夜風がカーテンをわずかに揺らしていた。ぼんやりとした月の光が、影を揺らめかせる。
私は息を止めた。
夫の寝息が静かに響く部屋で、唯人くんの熱い視線が私をとらえて離さない。
「菜摘さん……僕は……ずっと……」
彼の言葉が震える。その響きが、胸の奥深くに染み渡る。
——抗えない。
私は目を閉じ、長く息を吐いた。揺れる感情の中で、唯一確かなのは、この瞬間、私が彼の目の前にいるということ。
「……どうして……こんな気持ちに……あっ……唯人くん……! はぁ……っ……だめ……なのに……」
静寂の中、息遣いだけが響く。
彼の手が私の肩にそっと触れた。「んっ……ふぁ……っ……」小さく声が漏れる。彼の指が触れるたびに、身体の奥が熱を持ち、抗えない何かが私の中で膨らんでいく。その指先の温もりが、私の心の奥深くを揺さぶる。その指先が触れるたびに、私の中の理性がひとつずつ崩れていく。
「菜摘さん……」
私は目を閉じた。「あぁ……唯人くん……もう……っ……だめ……っ……」震える声が、夜の静寂の中で小さく響く。心の奥底から湧き上がる声が、静寂の中に溶けていく。
夜の深さが、私たちの想いを包み込んでいく。
この体験談で興奮したら必見!!
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