いつでも使えるオナホ後輩 天月あず
【第1部】仕事の愚痴から下ネタへ…同僚の“オナネタ暴露”で空気が変わった夜
その夜は、ただの「仕事の愚痴飲み会」のはずだった。
終電を少し過ぎた時間、いつもの居酒屋のカウンターで、私は同僚の彼とハイボールを並べて座っていた。
部署は違うけれど、残業時間が不思議と重なる私たちは、気づけばよく愚痴を言い合う仲になっていた。
「課長、また意味わかんない指示飛ばしてきてさ…」
「わかる。あれ絶対自分でやり方わかってないよね」
そんな、いつもの疲れた社会人の会話。
だけど、その日は私の中で何かがいつもと違っていた。
彼は、客観的に見ればかなりイケメンの部類だと思う。
すっきりした横顔、スーツの着こなしもきれいで、清潔感もある。
なのに、ふとした拍子に聞いた「彼女いない歴3年」という数字が、ずっと頭の隅に残っていた。
酔いがまわってきた頃、私はつい、半分冗談のつもりで口にしてしまった。
「ねえ、3年彼女いないってさ…正直、セックスどうしてんの?」
自分で言っておいて、言葉が空中で少し跳ねた気がした。
彼は一瞬目を丸くしてから、吹き出すように笑った。
「なにその直球。…そりゃあ、オナでしょ」
そこからだった。
話題が、仕事から一気に“カラダの話”へと傾いていったのは。
「男って結局、どこ触られるのが一番いいわけ?」
「いやいや、こっちこそ聞きたい。女の人って、挿入よりそれまでが大事ってほんと?」
そんなふうに、いつもなら絶対表に出さないような話を、酔いと安心感に背中を押されてぽんぽんと投げ合った。
彼がふと、真面目な顔で言った。
「オレ、正直さ…挿入はオマケだと思ってるんだよね。
その前に、どれだけ気持ちよくしてあげられるかっていうか」
「わかる。私もそっち派。
…なんかさ、あんた、見た目のわりにMっぽいのになんでそんなSなこと言うの」
「いや、性格はM寄りだけど、エッチの時はわりと尽くしたいタイプなんだよね」
“性格M、エッチはS寄り”。
その言葉に、妙に納得してしまった自分がいた。
私自身は、どちらかといえばS気質だと自覚している。
普段からからかうのが好きだし、主導権を握るのも嫌いじゃない。
だからこそ、彼の少し照れた“サービス精神”の告白が、心のどこかをくすぐった。
グラスの氷がカランと鳴ったタイミングで、彼がさらっと爆弾を落とした。
「…実はさ。
お前のこと、オナネタにしたことある」
「は?」
耳から先にじんわり熱くなる感覚を、はっきり覚えている。
「バカじゃないの…」
そう言いながら笑い飛ばしたけれど、その瞬間から、彼を見る視線が少し変わった。
私という存在で、彼は一人で欲望を処理したことがある。
その事実が、酔いの中でじわじわと広がっていった。
外は、終電を逃した人たちが途切れ途切れに歩く時間帯。
私たちは、なんとなく流れで、彼の部屋の最寄り駅で降りていた。
「もう一杯だけ飲んでから帰る?」
「…うん。酔い覚ましがてらね」
そう答えた私も、本当は酔いを覚ましたいわけじゃなかった。
むしろ、もう少しだけ、理性の輪郭がぼやけていて欲しいと思っていた。
【第2部】ソファーで始まるキスと愛撫──“試しに任せてみた”はずが全身がほどけていく
彼の部屋は、想像よりも整っていた。
本棚とゲーム機、仕事用らしいパソコン。
使い込まれたソファーに、私のバッグがぽん、と置かれる。
「とりあえず座りなよ」
言われるままにソファーに腰を下ろすと、彼はローテーブルにコンビニの缶チューハイを置いた。
けれど、誰もそれに手を伸ばそうとはしなかった。
沈黙を破ったのは、私だった。
「…そんなに自信あんの?“気持ちよくさせる”テク」
自分で言いながら、喉が少し渇いた。
わざと挑発するように、目だけで彼を見る。
「試してみる?」
あまりにもストレートな答えに、一瞬息が詰まる。
だけど、不思議と嫌な感じはなかった。
「ヘタクソだったら、すぐ止めるからね」
そう言ったときには、もう心のどこかで“止めない自分”を想像していた。
彼は私の前に立ち、ゆっくりと膝をついた。
目線が、私の膝あたりにくる高さ。
その体勢だけで、どこか支配されているような感覚があるのに、なぜか安心感もあった。
最初に触れたのは、手ではなく唇だった。
頬に、軽くキス。
そのあと、首筋、鎖骨へと、熱を落としていくようにキスが移動していく。
「ちょ…くすぐったい」
言葉とは裏腹に、身体は逃げなかった。
皮膚の薄いところほど、唇が触れた瞬間、そこだけ温度が数度上がる気がした。
彼の指先が、私のトレーナーの裾をそっとめくり上げる。
ブラのホックが、片手で器用に外される感触が背中に走ったとき、
“あ、この人、慣れてるな”と変なところに感心してしまった自分もいた。
胸元にひやりとした空気が触れる。
すぐに、その冷たさを埋めるように、彼の手のひらが重なった。
やさしく、確かめるように。
形をなぞり、指先で先端を転がされると、呼吸が浅くなっていくのがわかった。
「…ちゃんと感じてる?」
問いかけは、耳元に落とされた。
声が近すぎて、鳥肌が立つ。
「…うん。気持ちいい」
搾り出すように言葉を返すと、彼の動きがほんの少しだけ変わる。
さっきよりもリズムが生まれ、胸への愛撫が、ゆっくりした波みたいに続いていった。
いつの間にか、彼の手は太もものあたりまで降りていた。
スカートの布越しに撫でられるたび、脚の内側がじんわりと重くなっていく。
生理前で、もともと身体が敏感になっていたこともあった。
久しぶりに触れられる他人の体温が、余計に感覚を煽る。
「顔、真っ赤」
くすっと笑う気配がして、恥ずかしさに視線をそらした。
だけど、彼の指先が次の一手を選ぶ音だけは、やけにはっきり聞こえた気がした。
“どこまで任せていいんだろう”
そう考えた時点で、もうかなり奥まで許してしまっていることに、うすうす気づいていた。
【第3部】一線を越えたあとに残ったもの──セックスの余韻と「ありがとうございました」の関係
どこからが“セックス”という行為の始まりなのか。
今でもその境目をはっきり思い出せない。
覚えているのは、ソファーの上で体勢を変えるたび、
肌と肌が触れ合う音が、部屋の静けさの中でやけに大きく響いていたこと。
胸元に残る彼の指の感触。
耳元で名前を呼ばれるたび、身体の奥がきゅっと締まるような感覚。
「…大丈夫?痛くない?」
途中で何度もそう聞かれた。
そのたびに、かろうじて「平気」と返す自分の声が、別人みたいに震えていた。
気持ちよさと恥ずかしさ、安心と背徳感。
いくつもの感情が、ごちゃごちゃに混ざっていく。
どの瞬間だったか、彼の肩に爪を立ててしまった。
握っていたソファーの縁から力が抜けて、全身が波に飲まれるみたいに落ちていく。
「…っ、やだ…」
意味のない言葉が漏れる。
なのに、身体の奥は確かに求めていた。
その夜、何度“もうムリ”と思っても、
彼の「ごめん、もう少しだけ」が、なぜか嫌ではなかった。
気づけば、部屋の時計はかなり遅い時間を指していた。
ふと我に返ったとき、胸元にはうっすらと赤い跡が残っていた。
頬も、首も、ソファーの背もたれに預けた背中も、じんわりと汗ばんでいる。
「…なんか、ごめん」
先に謝ったのは彼の方だった。
でも、私の口から出てきたのは、まったく別の言葉だった。
「…ありがとうございました、でしょ」
冗談めかして言うと、彼が一瞬きょとんとしてから吹き出した。
「そうだな。
こちらこそ、ありがとうございました」
たったそれだけのやりとりなのに、
その軽さが、逆に“全部お互いわかってる”という合図みたいに感じられた。
それから何度か、私たちはまた二人で飲みに行った。
でも、不思議なことに、あの夜みたいに一線を越えることはなかった。
お互い、冗談みたいにあの夜の“エチテク”を褒め合うことはあっても、
「じゃあ、また今度も」という言葉は、どちらの口からも出ない。
言ったら、きっと簡単にまた同じことが起きるのだと、二人とも知っているから。
あの夜のことは、もう“セフレ”という言葉で括るには少し違う。
でも、ただの同僚のまま、と割り切るには濃すぎる。
そのあわいの関係を、私たちは暗黙の了解で守っている。
まとめ:同僚とのエッチな一夜が教えてくれた、快感と安心のバランス
この体験を振り返ると、
一番強く残っているのは、肌の記憶よりも「安心して乱れられた」という感覚だ。
・日常の中で積み重なっていた信頼感
・互いの性格を知ったうえでの、SとMの相性
・酔いに任せたノリだけじゃない「ちゃんと確認してくれる優しさ」
その全部が揃っていたからこそ、
私はあの夜、自分のカラダと欲望を預けることができたのだと思う。
セックスのテクニックとか、気持ちよさの度合いとか、
そういうものももちろん大事だけれど、
“ここなら自分を解放しても大丈夫”と思える相手かどうかは、それ以上に大きい。
同僚と一線を越えることは、リスクもある。
関係が壊れる可能性だって、十分にあったはずだ。
それでも、あの夜を「なかったこと」にしなかったのは、
お互いに正気のまま、ちゃんと感謝と冗談でラッピングできたからだ。
エッチな体験談として語れば、あの夜は確かに刺激的だった。
でも、私の中で一番エロティックなのは、
いまでも二人で飲むたび、
ふと目が合った瞬間にだけ蘇る“ソファーの記憶”だ。
声に出さない秘密を、二人だけで共有し続けている──
その事実こそが、何よりも長く、静かに、私の性欲をくすぐり続けている。




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