大学生アルバイトが妻子ある先輩に抗えず堕ちた夜:触れぬ距離から崩れた理性の全記録

【第1部】呼吸を乱す距離──触れぬまま濡れていく私の内側

アルバイト終わりの、更衣室。
いつもなら軽く会釈して通り過ぎるだけの先輩が、その夜はドアの外で待っていた。
細い蛍光灯が、彼の横顔の輪郭をうっすら縁取っている。
白いシャツの袖口がわずかに緩み、そこから覗く手首の骨ばった形に、なぜか喉が渇いた。

「送っていくよ」
低く落ち着いた声。返事をする前に、私のバッグを片手で持ち上げていた。
わずかに香るのは、洗い立ての綿のシャツにしみこんだ柔軟剤と、夜気に冷えた肌の匂い。

外に出ると、夏の終わりの湿った風が、首筋の産毛をそっと撫でる。
彼の歩幅に合わせるたび、肩がかすかに触れそうになって離れる──その繰り返しが、
胸の奥をじわじわと締めつけていく。

沈黙が、言葉よりも重く私の中に沈む。
視線を合わせれば、何かが崩れてしまいそうで、私は夜空ばかり見ていた。
それでも、横顔の熱が、視界の端で私を捕まえて離さない。

車に乗り込むと、ドアの音が密室の空気を作る。
窓の外の蝉の声が遠のき、エンジンの低い振動がシート越しに太ももへ沁みる。
助手席のベルトを引く私の手元を、彼は黙って見ていた。
その視線がベルトよりも少し下、膝の内側に止まった瞬間、
皮膚の裏側まで、血が一気に熱を帯びるのがわかった。

何もされていない──なのに。
舌の奥が甘くなり、背中のどこかが呼吸を探している。
彼の横顔、その沈黙、わずかに動く喉仏……すべてが、
私の膝の奥に、湿った鼓動をひそませていた。

【第2部】抗えない沈み込み──理性をほどく指と舌

助手席の暗がりで、彼の指先が静かに伸びてくる。
触れたのは手の甲の、ほんの一瞬──それなのに、
私の中の何かが水面を破られてしまったように、深く沈み込んでいく。

「……緊張してる?」
耳元で落ちるその声は、囁きというより、鼓膜をゆっくり撫でるような温度だった。
私は首を横に振ったはずなのに、視線だけは逃げられなかった。
彼の目の奥が、ゆっくりと私を見透かす。
そこには躊躇も、ためらいもない──私を知っている、という確信だけがあった。

頬にかかる髪を耳にかけられた瞬間、
指の腹がこめかみをかすめ、その温かさが耳の奥へ溶けていく。
喉の奥がひとりでに鳴り、唾を飲み込むたびに、
私の内側は彼の温度を追いかけてしまう。

「……行く?」
どこへ、という問いは喉まで来て、声にならない。
ただ頷く。
その仕草さえも、彼の掌の中で形を変えてしまう気がした。

ホテルの部屋に入った途端、
背中がドアに押しつけられた。
衝撃はなく、ただ壁紙の冷たさと、
彼の胸の硬さ、その両方が同時に私を挟み込む。

唇が触れたのはほんの一瞬──
それなのに、舌の先が私の上唇をわずかに撫でただけで、
腰の奥まで緩んでしまう。
奥歯の裏をゆっくりなぞられると、
身体は自分の重心を見失い、膝が言うことをきかなくなる。

ベッドに腰を下ろした瞬間、
膝の裏に彼の手が入り、
ゆっくりと引き寄せられる。
足が自然と開くのを、私自身が止められない。

シャツのボタンをひとつ外されるたび、
布の間から流れ込む空気が、
肌の奥を湿らせていく。
胸の上を通る指が、布越しに円を描き、
やがて布と肌の境界を静かに破る。

その指が胸の先端を軽く押すと、
全身の奥に溜まっていた熱が、
一気に足の付け根まで落ちていく。

私はわかっていた。
抗うべきだと──
それでも、抗わなかった。
いや、抗えなかった。

【第3部】堕ちる声──絶頂とその余韻に溺れて

「……やめ、ないで……」
その言葉が、自分の口から零れた瞬間、
理性が音を立てて崩れたのがわかった。

唇が重なり、舌が浅く触れ合う。
触れるたびに、
「……んっ……」
細い声が喉からこぼれ、
自分の耳にまで熱を運んでいく。

胸元に滑り込む手。
布の下で指が形をなぞるたび、
「だめ……っ、あ……」
拒むはずの声が、甘く濡れていく。

腰を抱き寄せられ、
ベッドの縁に沈み込む。
脚が自然と開いてしまい、
その動きを止める力はもうなかった。

「……もっと……」
唇が耳元に近づき、
「欲しいの?」
その低い囁きに、喉が勝手に鳴った。

「……はぁ……欲しい……」
吐息と一緒に答えてしまった瞬間、
身体の奥まで彼が入り込んでくる。

腰が浮く。
背中が反る。
「ん……あ……っ、あぁ……」
声が途切れ途切れに零れ、
耳の奥がその響きで痺れていく。

彼の動きに合わせて、
胸の奥から足先まで、
波のような熱が何度も押し寄せる。

「もう……だめ……あっ……」
言葉とは裏腹に、
脚は彼の腰を強く引き寄せていた。

瞬間、
視界の端が白く滲み、
全身がひとつの脈動になって跳ねた。
声とも息ともつかない音が、
途切れず漏れ続ける。

──静かになった部屋に、
残るのは、重なった呼吸と、
濡れた肌の冷めきらない熱だけ。

彼が頬に触れる。
「……忘れられないだろ」
その言葉に、答えることはできなかった。
ただ、胸の奥が、まだ小さく脈打っていた。

止まらないなら、もう踏み込んで。

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