【第1幕】静かな視線が、私の奥を濡らしていた午後
パート終わりの更衣室。
制服のボタンを外す手を止めたのは、扉の向こうで響いた、低くくぐもった笑い声だった。
大学生のバイト君たち——けれど、その響きにはもう、無邪気さはなかった。
どこか湿った熱が、私の皮膚を舐めていた。
年齢差なんて意味を失くすほど、彼らの視線はいつも、他の誰でもない“私”を見ていた。
「〇〇さん、今日の口紅、すごく…好きです」
そんな言葉に、「またまたぁ」と笑ってかわす日々。
でも、本当は、少しだけ震えていた。
“見られている”ことを、どこかで望んでいた自分に。
リップの色を濃くした日。
胸元のボタンを、ひとつ余分に外してしまった日。
その理由を、私の身体はとっくに知っていた。
——俊介。
みんなが笑う中、彼だけが笑わない。
けれど、ただ見つめてくる。
言葉よりも深く、まなざしの温度だけで、私の奥を濡らしてくる。
その日の帰り際。
更衣室のすれ違いざま、彼の指が、私の腰に——すべるように、ほんの一瞬、触れた。
それだけで、下腹の奥が、静かに跳ねた。
「いけない」と思うより早く、
身体のどこかが、じわりと熱を帯びていた。
濡れていたのは、私の心ではなく、もっと奥の、もう抗えない場所だった。
【第2幕】沈黙の湿度、重なる指と舌と奥の疼き
「少しだけ……いいですか」
閉店後、静まりかえった休憩室。制服を畳み終えた私に、俊介が声をかけた。
私たちは、無言のまま扉を閉めた。
パタン、と空気が揺れ、蛍光灯の光だけが、二人の間に降り注ぐ。
「……ねえ、こんなこと、だめなのよ」
そう言った唇に、彼の指先がそっと触れる。
震えを封じ込めるように。
そして、言葉のかわりに舌が滑り込んだ。
キスの振動が、口腔から喉、胸の奥へと沈み、
背中を包む腕に抱かれ、私はソファの上に静かに倒された。
制服の下、インナーを捲り上げられ、
熱を持った舌が、谷間をなぞっていく。
そのぬめる感触が、乳首の縁を円を描くように這った瞬間、
私は、呼吸の仕方を忘れてしまった。
俊介の手は、私の膝の裏を撫で、太ももの内側を伝いながら、
スカートの奥へと、迷いなく入り込んでくる。
その指先が、ショーツ越しに濡れた部分をなぞったとき——
「……ここ、俺のこと、待ってた?」
耳元で囁かれた瞬間、私の身体は勝手に脚を開いていた。
ゆっくりと侵入してきた彼の硬さは、
痛みよりも先に、喉の奥まで快楽の余韻を届けてきた。
——奥に届くたびに、私は壊れていく。
ソファの軋む音、肌と肌が擦れる湿ったリズム。
脚を絡ませ、上になり、腰を振る自分に驚きながらも、
私は自分の欲望に、初めて正直になっていた。
俊介の若さは、荒々しさではなく、
私の奥の「女」を目覚めさせる、容赦ない優しさだった。
【第3幕】視線と指先の交錯、壊されていく“理性”の下着
——終わったはずの時間。
ソファに背を預け、火照った身体を冷ます私の前に、もうひとつの影が現れた。
俊介の友人。
彼もまた、私にずっと視線を向けていた存在。
「ねぇ……〇〇さんって、本当に、えろい」
その言葉に、息が詰まった。
けれど、不思議と、心は逃げようとしなかった。
俊介が私の背中から腕を回し、優しく囁く。
「大丈夫。俺が見てるから」
そしてもう一人の手が、私の太ももを撫で上げてくる。
羞恥と快楽が交錯する、濡れた静寂。
私は、自分の下着の中に、他人の指を受け入れていた。
俊介の舌が首筋に降りて、
もうひとりの指が、私の奥の粘膜を撫で回す。
「や…だめ、だめよ……」
そう言いながらも、腰は逃げなかった。
理性が壊れていく音が、耳の奥で響いていた。
私はもう、“抱かれる”のではなかった。
“抱かれてしまっている”——自分の快楽の底に。
絶頂のたびに、喉が鳴り、脚が震え、
最後は、俊介の腕の中で息を漏らしながら、
もう一人の名も知らぬ指の記憶が、私の粘膜の奥に残りつづけていた。
汗と体液が混じり、太ももを伝ってソファを濡らす。
終わったはずの午後に、まだ火照りは残っていた。
そして私は、
——次の出勤シフトを、何も言わずに、一番早い日に書き込んでいた。



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