禁断の愛と支配—48歳の女上司と23歳の部下が織りなす官能美の物語　その2

1. 後日談 ― 知らされた現実

熱を帯びた夜から数日が経ち、美咲は日常へと戻っていた。あの夜の余韻がまだ彼女の体に残り、指先にまで彼の感触が蘇る。それでも、彼女は自らの支配を貫くべく、何事もなかったかのように振る舞っていた。

しかし、そんな平穏は突然崩れる。

「部長、ご存知でした？ 篠宮さん、取引先の方とお付き合いしてるって噂ですよ。」

同僚の何気ない一言が、美咲の心に鋭く突き刺さった。

「…誰？」

「◯◯商事の三浦さん。33歳のやり手営業ウーマンらしいですよ。美人で仕事もできて、結構評判いいみたいです。」

まるで世界が音を失ったようだった。心臓の鼓動だけが耳の奥でこだまする。彼が、あの夜に見せた熱、それはすべて美咲だけのものだったはず。彼が美咲に向けたあの情熱的な眼差し、甘い言葉は、ただの戯れだったのか？

彼が、別の女を抱いている。

嫉妬が静かに、美咲の中で燃え上がった。

「…篠宮、私に隠し事をしていたのね？」

彼女は冷静を装ったまま、心の奥底で蠢く激しい感情を押し殺す。

2. 仕掛けられた罠 ― 二人の対峙

美咲は静かに計画を立てた。

日曜日の午後、人気のないオフィスの空間を利用する。すべては彼を確かめるために。

「篠宮、15時に部長室へ来なさい。」

その一言だけを告げ、美咲は受話器を置いた。

彼は来るだろうか？ それとも、もう美咲の元を離れてしまったのだろうか？

3. 交錯する運命 ― 証明の時

約束の時間。オフィスの静寂の中、彼が姿を現した。

「…部長、僕を呼びましたか？」

「ええ、確かめたいことがあるのよ。」

美咲はゆっくりと彼に歩み寄り、視線を絡ませる。その瞬間、空気が変わった。

「あなたは、私だけを見ているの？」

彼の答えは必要なかった。美咲は静かに指を絡ませ、彼を導くようにソファへと押し倒した。

「どうして…こんなことを？」彼の声が震える。

「あなたが私のものかどうか、確かめるためよ。」

彼の戸惑いを無視し、美咲は静かに支配の微笑みを浮かべた。彼は、彼女を裏切ったのか、それとも…。

15時30分。部長室の扉の向こうで、誰かの足音が響く。

「篠宮…あなたの忠誠を、ここで証明しなさい。」

その言葉が終わるや否や、ノックの音が響いた。

「部長、三浦です。お約束の時間ですが…。」

美咲は微笑む。彼女はこの状況を作り上げたのだ。

「まだ…終わっていないわ。」

篠宮の瞳が揺れ、彼の呼吸が乱れる。

「僕は…美咲さんのものです。」

オフィスの扉がゆっくりと開く。

4. 交錯する運命 ― 三浦の介入

扉の向こうには、三浦が立っていた。整ったスーツに包まれた彼女は、一瞬戸惑いを見せたが、すぐに冷静さを取り戻し、鋭い視線を篠宮に向けた。

「篠宮くん…ここで何を？」

篠宮は答えられなかった。その肩に、美咲の指がゆっくりと這う。

「仕事の話をしていたのよ。」

美咲は涼しい顔で言った。だが、三浦の目は鋭く、美咲の胸元にかかる彼の視線を捉えた。

「…篠宮くん。」

三浦の声が硬くなる。

「言い訳は？」

篠宮は動揺した表情を浮かべる。だが、彼の視線が最後に向かったのは、美咲だった。

「俺が選ぶのは…美咲さんです。」

その言葉に、三浦の顔が静かに曇る。

「そう…。」

彼女は短く言い、部屋の中へ一歩踏み込んだ。

「でも、本当にそれでいいの？」

美咲の指が篠宮の頬を優しくなぞりながら、低く囁く。

「彼の選択は決まっているわ。見せてあげましょうか、三浦さん？」

彼女の声は甘く、だが挑戦的だった。

三浦は、震える指先で扉の取っ手を握り締める。だが、そこから先へ踏み出せない。彼の選択は、すでに決まっているのだ。

「美咲さん…あなたがすべてです。」

彼の声はかすれ、指が彼女の腰にそっと這う。

美咲は満足げに微笑み、彼の耳元で囁く。

「じゃあ、証明しなさい。私がすべてだということを…。」

篠宮の手が彼女の背に滑り、波のように流れる熱が互いを包み込む。美咲はゆっくりと彼を導き、支配する女王のように、優雅にその瞬間を迎える。

三浦は目を伏せ、耐えきれずに部屋を後にする。

扉が閉まる音とともに、二人の世界は完全に閉じられた。

支配と愛、試される忠誠。すべてが交錯し、熱を孕んだ夜が再び幕を開けた。