第一章|制服の襞(ひだ)に潜む、視線という欲望
埼玉県の東部にある、少し古びた住宅街――。
午後四時すぎの空は、夏の余熱をまだ滲ませながら、どこか甘く湿った光で町を染めていた。
その光が、私の足元まで伸びた影を、ゆらりと揺らす。
私はその日も、いつものように学校帰りの坂道を歩いていた。
白いハイソックスに包まれた脚、膝上までしかない夏用のチェック柄のスカート。
シャツは汗で背中に少し張りついていて、通気のために一番上のボタンは外していた。
誰かに見られている――
そう感じたのは、ほんの数秒前。
視線。
それは音もなく、でも確かに皮膚に触れてくる“指”のようなものだった。
ふと前を見ると、駅前のコンビニの前に、三人の男子高校生が腰を下ろしていた。
彼らの視線が、まるで風のように、私の足元から太腿、そしてシャツの開いた襟元へと、静かに昇っていったのを感じた。
私は、ぞくりとした。
いや……“濡れた”のだと思う。
その感覚に、私自身が、いちばん驚いていた。
怖さなんて、なかった。
むしろ、自分の身体が、見られることを喜んでいるようにさえ感じた。
「……あ」
階段の一段を踏み外したふりをして、私はわざとスカートの裾を揺らした。
制服の下にまとった白い下着の輪郭が、光と影の狭間にふっと浮かんだことを、私はわかっていた。
誰かの視線が、一瞬、呼吸を忘れたように止まったのがわかった。
なぜ?
こんなにも、自分の“存在”が他人の身体の熱を呼ぶことが、私の内側を焦がしてくるのだろう。
私は決して、露出趣味があるわけではない。
誰かに身体を安く見せたいわけでも、ない。
でも――
「見られる私」が、美しいと思ってしまった。
スカートのひだの間をすり抜ける風、シャツの隙間から触れる日差し、そして彼らの目の温度。
すべてが、私の「女」を目覚めさせるために集まっているような気がした。
その時だった。
一人の男の子が、ふらりと私に歩み寄ってきた。
「ねえ……毎日ここ通ってるよね?」
汗のにじんだ額。少し焼けた肌。
瞳はまっすぐ私を見ているのに、その視線は明らかに、私の胸元と脚の間を彷徨っていた。
彼の声は、蝉の鳴き声に溶けるように低くくぐもっていて、
私の下腹部に、熱をひとしずく垂らしてくるような響きを持っていた。
「……見てたの?」
そう言いながら、私は軽く笑った。
でも心のなかでは、別の言葉が渦巻いていた。
(お願い……もっと見て。もっと、突き刺すように見て)
背徳、羞恥、そして興奮。
それらすべてがないまぜになって、私の身体の奥が、うずき出していた。
夏の制服のシャツのなか、ブラのカップの中にこもる熱。
通気性のいい下着のクロッチが、うっすらと濡れはじめているのを、自分でも感じた。
彼の背後には、もう二人の男子たちが控えていた。
彼らもまた、私の“今の状態”に気づいているのだとわかっていた。
けれど私は、そのまま歩みを止めることなく、
彼らの前を通り過ぎるふりをして、ほんの一瞬、振り返り――
**「帰り道、話し相手になってくれる?」**と、声をかけた。
私の制服のなかで、何かがほどけはじめていた。
そして、「女」としての私の物語が、ゆっくりと始まっていく音がした――。
第二章|囲まれるという支配、悦びの震え
川沿いの遊歩道から少し外れた場所に、それはあった。
住宅と工場の狭間にぽっかりと開いた、小さな草地。
雑草が生い茂るその場所は、昼間でも人の気配がなく、
ただ、風が草をゆらす音と、遠くの川のせせらぎだけが流れていた。
私は、彼ら三人の男の子たちとそこに立っていた。
スニーカーの先で、草を踏みしめる音が静かに響く。
制服のスカートが、わずかな風にめくれ、太腿をかすめた。
「ほんとに……ここ、入っちゃって大丈夫?」
そう尋ねた私の声は、かすかに震えていた。
でもそれは、恐怖ではなかった。
期待と、熱を含んだ“覚悟”の震え。
「大丈夫。見えないし、音も聞こえないよ」
笑いながら言った彼の声は、少し喉が渇いているようだった。
喉仏が、ひくんと上下するのが見えた。
彼は、私の顔をまともに見ることなく、胸元へと視線を這わせていた。
草むらの奥へと足を進めると、もう一人が後ろからついてきて、
いつの間にか、私は三人の彼らの「輪」の中心にいた。
まるで獲物を囲むように、
いや、祈りの火を囲むように、彼らの目が私に集中していた。
「……ねえ、脱がせていい?」
その言葉が、私の膝の裏を伝って、股間へと響いた。
一瞬にして息が詰まり、心拍だけが異常なほど早くなる。
けれど、私は首を横には振らなかった。
「……うん」
たったひとつ、許しを与えた瞬間、
彼らの手が、同時に伸びてきた。
スカートのウエストに指をかける手。
ブラウスのボタンを一つずつ外す指先。
シャツの裾から滑り込む手のひらが、背中の曲線をなぞる。
「え、やっば……」
一人が、私のブラジャーの中を覗きこみながら、息を呑んだ。
白いレースの下で、すでに膨らみは硬くなり、
指先でそっとなぞられるだけで、背骨がびくりと跳ねた。
私はまだ、シャツを完全には脱いでいなかった。
でも、ボタンはすべて外され、胸は片側だけブラがめくられ、
もう、**「制服の中だけが、裸」**になっていた。
手のひらが、太腿の内側を這う。
指が、下着の布の上から、私の中心に触れた。
「うわ、もう濡れてる……」
その言葉に、羞恥が背筋を駆け上がる。
けれど、私は否定しなかった。
だって、それは事実だったから。
彼の指が、下着の内側にそっと忍び込み、
湿った感触に驚いたように、笑みを漏らした。
「こんなに……すごいね」
「や、やだ……」
か細く抵抗するように呟きながら、
私は自分が彼らの指に身体を預けていくのを、止められなかった。
一人の手が、私の腰を強く引き寄せる。
別の手が、胸を包み込み、親指が乳首を擦る。
シャツの袖はまだ脱げておらず、私は“制服を着たまま脱がされている”。
この半端な姿が、余計に私の興奮を煽っていた。
指が、熱く、私のなかに入ってくる。
身体の奥がきゅっと締まり、それに応じるように、私は小さく声を漏らした。
「だめ、そこ……ッ」
言葉にならない快楽が、身体の奥から波のようにあふれ出す。
彼の指がリズムを刻み、もう一人が私の胸元に舌を這わせる。
制服、草の匂い、男たちの汗と若さのにおい、
すべてが混ざり合い、私の身体に絡みついてくる。
私は気づいていた。
この状況が、普通じゃないこと。
でも、同時に、私の内側のどこか深い場所が――
**「もっと、欲しい」**と、叫んでいた。
第三章 改訂版|制服のまま、果てる私の輪郭 ― 官能深化篇 ―
私は、制服のシャツを着たまま、草の上に横たわっていた。
太腿のあいだに残る生温かい痕跡、
スカートの裏地に染み込んだ体液が、肌にひやりと貼りつく。
けれど、それすら心地よい痺れとなって、まだ果てぬ波のように揺れていた。
「……もう一度、いい?」
小さな声だった。
けれど、私の奥に届いたその響きは、先ほどとは比べものにならないほど深く、甘かった。
その声の主が、私の脚のあいだに顔を埋める。
制服の裾をまくりあげ、太腿を開かせた彼の指が、
いまだ脈打つ私の中心をじっと見つめる。
「きれい……」
そのひとことに、全身が震えた。
恥ずかしい。
けれど、見られていることに、どうしようもなく心が反応する。
私はもう一度、ゆっくりと脚を開いた。
羞恥が、快楽に置き換わる音が、心の奥で“ぱちん”と弾けた。
彼の舌が触れたのは、最も敏感な花の先端。
唇で包み、舌先で、ゆっくり、繊細に撫でられる。
そのたびに、私の身体は腰から跳ねるように揺れ、
指が草をかきむしる。
「だめ……そこ、だめ……ッ」
だめと言いながら、私はさらに深く、彼の舌を迎え入れていた。
舌が花弁の奥へと沈みこみ、蜜を啜るように吸われる。
耳の奥で、水音のような生々しい湿声が響いた。
やがて、もう一人が後ろから私を支え、上体を起こした。
唇が、私の耳たぶに触れる。
「……口で、してくれない?」
頷くしかなかった。
羞恥に震えながらも、私は制服の袖を通したまま、四つん這いになった。
ズボンを下ろす音。
熱を持った彼のそれが、私の眼前に現れる。
震える手で、それを包み、
唇をそっと触れさせると、彼の喉がびくんと震えた。
舌でゆっくり、裏筋をなぞり、
先端をくるりと円を描くように口内に含む。
硬さと熱、そして鼓動。
それをすべて、私の口の中で感じる。
「やば……っ、気持ちいい……」
彼の声がくぐもって漏れ、
私はその声に応えるように、喉の奥へと深く咥えこむ。
唾液と吐息が混じり合い、
口と舌と喉すべてを使って、彼を味わう。
――すると、不意に後ろから誰かが、私の腰に手を添えた。
ぐい、と。
制服のスカートがたくし上げられ、濡れそぼった花の奥に、
別の彼の熱が、ぬるりと触れた。
「あ……」
口の中に彼を含んだまま、私は別の誰かに貫かれていく。
この背徳。この錯乱。
前後で、彼らに同時に責められながら、
私の身体は理性と本能の境界を超えて、
ただただ、悦びに塗りつぶされていった。
「ねえ、今度は……乗って?」
言われるまま、私は彼の上にまたがった。
スカートを腰まで持ちあげ、膝をつき、
自らの手で、奥深く彼を迎え入れる。
その瞬間、全身が電撃のように痺れ、
身体が勝手に、上下に揺れ出す。
前を攻める手。
後ろから這い寄る舌。
吸い上げられるような感覚に、
私はもう、女としてのすべてを差し出していた。
自分が今、どんな顔をしているか、わからない。
けれど、それでも、**“これが私なんだ”**と感じていた。
やがて、波が、押し寄せた。
正面の彼の中で、私は果てた。
声にならない叫びを、空に向かって放ちながら。
制服のまま、果てていく。
それは、少女から女になる通過儀礼だったのかもしれない。
エピローグ|果てて残るのは、光と、影と、私
帰り道。
夕暮れの空は朱に染まり、遠くで電車の音がかすかに響いていた。
制服の胸元から、汗と体液と草の匂いがかすかに立ちのぼる。
でも、私は洗濯しようと思わなかった。
あの快楽の記憶を、
この制服の繊維のすき間に染み込ませたまま――
“見られた私”も、“貫かれた私”も、
どちらも、今の私を完成させている。
そう思ったから。
夕焼けに照らされた自分の影が、
なぜだか、少し大人びて見えた。
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