離婚調停は、まるで私の人生を剥ぎ取っていく儀式のようだった。
夫の裏切りを、証拠という名の冷たい文字列で突きつけ、
私は静かに、すべてを“終わらせる”役を演じていた。
だけど、本当は――
私は終わらせたかったのではない。
“誰か”に、もう一度、壊れるほど抱きしめてほしかったのだ。
その“誰か”が、まさか自分の弁護士になるなんて、想像もしていなかった。
篠原さんは、口数の少ない人だった。
感情を表に出すことはなく、常に落ち着いていて、まるで氷のよう。
だけど私は、その沈黙の中に潜む熱を知っていた。
時折、視線が私の喉元に落ちるたび、私は呼吸を忘れそうになっていた。
――この人は、何も言わないけれど、全部わかっている。
そう思わせるような、底知れぬ静けさが、私の本能をざわつかせていた。
調停三回目の帰り道。
私はとうとう自分の欲望に嘘がつけなくなった。
「少しだけ、付き合ってもらえませんか」
そう言ったとき、私の声は震えていた。
けれど彼は、すぐに頷いた。
タクシーに乗らず、彼の車で都心を離れる。
無言のまま、静かなビジネスホテルの駐車場に辿り着いた時、
私たちはまだ一言も言葉を交わしていなかった。
けれど、鍵を受け取って部屋に入った瞬間――
私はベッドの前で、彼の前にひざまずいていた。
「……だめですよ、そんなふうに見ないで」
彼が低く言った声は、まるで喉の奥から響く雷鳴のようだった。
でも私は、目を離さなかった。
彼のズボンの前に伸ばした手が、確かな膨らみに触れた瞬間、
心臓が耳の奥で高鳴った。
そこには、噂話のような誇張ではなく、
むしろ現実とは思えないほどの“圧倒的な存在感”があった。
「……大きい……」
自分でも呟いた言葉に、頬が赤くなる。
けれど、興奮の熱はもう止められなかった。
私は震える指でゆっくりとファスナーを下ろした。
音が、部屋に静かに響く。
中から現れた彼のものに、私は思わず息を呑んだ。
まるで、喉奥の本能に直接触れられたようだった。
艶やかで、膨らみ、怒張したその姿は、
まるで“私が満たされるために存在している”かのようだった。
唇をあてた瞬間、熱が舌に伝わる。
硬さと脈動、そしてその圧倒的な大きさに、私は自分の奥底が疼きだすのを感じた。
舌を這わせ、ゆっくりと吸い込んでいくと、
喉の奥まで届くたびに、涙が滲む。
けれど、やめられなかった。
むしろ、私はその苦しさにさえ、恍惚を覚えていた。
喉がふさがれても、彼の匂いと熱を感じるたびに、
私の中の“女”が歓喜していた。
――狂ってる。
でも、それでいい。
理性の檻を壊して、今夜だけは本能のままに生きたい。
彼の手が私の髪を優しく掴む。
その力強さに、私はさらに深く飲み込んだ。
「……そんなにしたら、止まらなくなりますよ」
掠れた彼の声に、私の身体の奥がきゅんと疼いた。
それでも私はやめなかった。
唾液で艶めいた彼の先端を、喉で愛した。
音を立てて、求めて、絡めて、
私は彼のすべてを、自分の中に迎え入れた。
そして、彼が私をベッドへと引き寄せる。
下着が音もなく剥がされ、脚を開かされる。
そこに彼が顔を埋めたとき、私は声を抑えきれなかった。
彼の舌が、私の“最も奥”をなぞるたび、
恥ずかしさと快感が交差する。
呼吸が乱れ、腰が勝手に浮いてしまう。
「気持ちいい……そこ、もっと……」
そう囁くたび、彼はさらに深く舌を潜らせ、
私は何度も絶頂に打ちのめされた。
そして、彼がゆっくりと、私の中に入ってきた瞬間――
その“存在”に、私は全身を打ち抜かれた。
奥の奥まで届く。
満たされるというよりも、侵略されるような感覚。
でもそれが、たまらなく欲しかった。
「壊して……私の全部を……」
そんな言葉が、口からこぼれていた。
朝になっても、私たちは何も言わなかった。
でも私の喉には、彼の熱の残像が、
脚の奥には、濡れた余韻が、
そして心には、消せない傷跡のような幸福が残っていた。
もう二度と、彼に連絡を取ることはないだろう。
でもあの夜、私は確かに“生きていた”。
理性を脱ぎ捨てた先にあるのは、
恥ではなく、女の誇りだった。




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