夏祭りで再会した元カレとの一夜体験談:帰省先で揺れた心と身体の記憶

【第一幕:すれ違うたびに蘇る記憶と温度】

屋台の灯りが揺れていた。
虫の音、風鈴、金魚すくいの水音。
あの頃と何ひとつ変わらない夏の景色に、私は少しだけ酔っていた。

夫は仕事で日帰り、子どもは昼のうちに親に預け、私は一人で祭りの余韻に浸っていた。
浴衣の裾を揺らしながら、屋台の並ぶ参道を歩いていると——
「……由香?」

声に振り向いたとき、そこには10年以上前に別れた元カレ——健吾が立っていた。
黒いTシャツに下駄姿、変わらない声。
少し老けたけれど、目だけはあの頃のまま、まっすぐで。

「変わらないな、お前。びっくりした」
「そっちこそ、全然……」

笑って交わした言葉が、なぜか胸に引っかかる。
無意識に下駄の歯が揃って並び、二人で歩き出していた。

昔の話、別れてからのこと、今の暮らし。
言葉を選びながらも、距離だけは自然に縮まっていった。


【第二幕:浴衣の下で疼く、あの夜の記憶】

「まだ時間ある?」
「……少しだけなら」

そう言って連れて行かれたのは、神社の裏手の静かな縁台だった。
風が抜ける林の奥、笛の音も届かない。

「ずっと気になってたんだ。お前がいなくなってからも、ずっと」
そう言って、彼が私の浴衣の裾に指を滑らせたとき——
私は、何も言えなかった。

触れた指先が、ゆっくりと太腿をなぞる。
薄布越しに伝わる体温が、肌よりも先に心を溶かしていく。

「……だめ、健吾……」
そう言葉にしても、声は震え、喉の奥で引っかかってしまう。

次の瞬間、彼の唇が私の首筋を這うように降りてきた。
「変わってない、ここ、昔から弱かった」
舌が這い、吸い、静かに湿度を残していく。

私は抗うこともできず、背中を反らせた。
浴衣の合わせが開き、汗ばんだ素肌に夜風が触れる。

指が、脚の間に伸びてきたとき。
私は彼を見た。——10年前に置き去りにしたままの恋が、そこにあった。

「……お願い、ちゃんとして。乱暴にしないで」
囁くように言うと、彼は頷いて、私を縁台に押し倒した。

浴衣をたくしあげ、片足を引き寄せるように開かれたその体勢で——
舌が、私の奥深くまで沈み込んできた。

吸う、なぞる、飲みこむような動きに、理性が焼けていく。
指が、舌が、私のいちばん敏感な場所を知っていた。
何もかも、彼は覚えていた。


【第三幕:一夜だけの帰還、身体に刻まれた残響】

「……入れるよ」
彼の声は低く、かすれていた。

私は頷きながら、そっと脚を絡ませた。
奥まで来て、そこにいることを確かめるように、深く——一度。

静かに始まった律動は、次第に熱を増し、
縁台の木が軋む音と、私の声が重なった。

騎乗位になった私を見上げながら、
彼は「綺麗だ」と言った。

それは、十数年ぶりに抱かれた身体ではなく、
かつての私が、今ここに戻ってきたことへの言葉のようだった。

交わるたびに、記憶が体に戻ってくる。
あのとき伝えられなかったこと、壊れたはずの感情、全部がいま、私の中で生きていた。

最後、達した瞬間。
私は、何かを許されたような気がして泣いた。
声も出さず、ただ静かに涙がこぼれていた。

彼は何も言わず、私を抱きしめていた。
汗と夜風、縁台の木の香りと、彼の体温。

もう、戻れないのに。
それでも一夜、私の心と身体は「帰って」いた。

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