筋肉BARにハマった人妻が家に帰らず…マッスル！！SEX！！ハメ放題！！ 滝川すみれ
滝川すみれが演じるのは、夫との倦怠を抱えながらも、自分の中にまだ残る“女”の鼓動を確かめようとする人妻。
筋肉BARという非日常の空間で、彼女は「見る」ことから「感じる」ことへと変わっていく。
カメラはその変化を、肌の温度と呼吸のリズムで静かに追いかける。
刺激的でありながら、どこか切なく、観る者の内側にも残るものがある。
ただの官能ではなく、“心が揺れる”大人の物語。
【第1部】夜に開く香り──筋肉と孤独のあいだで
38歳、森下由梨。
埼玉の郊外にあるベッドタウンで、夫と二人暮らし。結婚して15年、子どもはいない。
毎朝のルーティンは完璧だった。洗濯機を回し、淹れたてのコーヒーを夫のマグに注ぎ、笑顔で「いってらっしゃい」と言う。その笑顔の裏で、胸の奥では砂がこぼれるように何かが減っていくのを感じていた。
夜。
静まり返ったリビングの時計の音が、まるで「あなたはまだ女として息をしているか」と問いかけてくる。
その夜、由梨は同僚の友人から聞いた“筋肉BAR”の話を思い出した。
「最近ハマってるの。見てるだけでドキドキするんだよ。あの身体たち、まるで芸術。」
芸術──その言葉に、何かが胸の奥で疼いた。
気づけばスマホで店名を検索していた。
写真に写るのは、光沢をまとった肌。照明の影が筋肉の稜線を際立たせている。汗の粒が、まるでダイヤのように光っていた。
その光を見た瞬間、由梨の中で眠っていた“女の感覚”が、ゆっくりと目を覚ます。
まるで冬眠から覚める熊のように、身体が熱を取り戻すのが分かった。
「行くだけなら、いいよね」
その小さな呟きは、誰にも届かない夜気に溶けていった。
鏡の前で髪を結い直すと、肌が少しだけ上気していた。
香水を一滴。いつもより深い場所に落とす。
その香りが、まるで自分の奥底に火を点けるように広がっていく。
【第2部】触れない距離──筋肉の温度と心の亀裂
夜の渋谷。
ガラス越しにこぼれるネオンの光が、雨上がりのアスファルトを濡らしていた。
由梨は、傘を閉じると同時に心のどこかも開いてしまったような気がした。
「お待ちしてます」
扉を押すと、低い音のBGMが波のように押し寄せてきた。
照明は抑えられ、筋肉の稜線を照らすスポットライトだけが艶を放っている。
人の肌が、光と影のあいだで呼吸をしていた。
カウンターの奥でシェイカーを振る男がいた。
その腕が、音とともにしなやかに動く。
筋肉が波打ち、シャツの布地がかすかに鳴く。
由梨の喉が、ごくりと鳴った。
「初めてですか？」
声の主は、彼――バーテンダーの篠塚廉（29）。
声は低く、どこかで炎をくぐったような熱を帯びていた。
「ええ、友達に聞いて」
「楽しんでください。ここは、筋肉よりも、人の“体温”を感じに来る場所ですから」
その言葉の意味が、由梨の皮膚にゆっくりと染みていく。
会話の合間、グラスに映る彼の姿が揺れる。
腕、肩、喉元、そして汗ばむ皮膚の粒――。
それらが、夜の光に濡れ、呼吸するたびに形を変えた。
彼が差し出したカクテルは、琥珀色の液体が微かにゆれる。
グラスに指が触れた瞬間、由梨の体温が一度だけ上がった。
その微かな接触が、静電気のように全身を走る。
ふと見上げると、彼もまた、目を逸らさずに見ていた。
言葉はもういらなかった。
沈黙の中に漂う香り、指先の動き、そして呼吸の速さがすべてを語っていた。
それはまだ触れ合っていないのに、すでに触れてしまったような錯覚だった。
【第3部】溶ける鼓動──夜の果てで見つけたもの
時間がゆっくりと流れていた。
由梨はカウンターに肘をつきながら、雨の音を聴いていた。
店内の照明が一段階落ち、音楽が低くなる。
まるで夜そのものが、彼女の体温に合わせて呼吸しているようだった。
篠塚がグラスを拭きながら、そっと目を上げる。
視線が交わるたび、空気が熱を帯びる。
ふたりの間に言葉はなかった。
ただ、沈黙がすべてを包んでいた。
由梨の中で、何かが静かに崩れていく。
「帰らなきゃ」という理性の声は遠く、
かわりに“ここにいたい”という衝動だけが、心の奥で明滅していた。
篠塚が、彼女の前に一枚のナプキンを置いた。
そこには店のロゴと、短い文字列。
数字が並んでいた。
「また来てください」
その言葉の響きが、夜の奥で微かに震えた。
外に出ると、雨は上がっていた。
街灯の下、舗道が月のように光っている。
傘を閉じ、深呼吸をすると、香水の匂いが微かに残っていた。
それはもう、今朝の自分の香りではなかった。
電車の窓に映る自分の顔を見つめながら、由梨は気づく。
肌の奥で、何かがまだ燃えている。
それは罪でも後悔でもなく、
“生きている”という証のような熱だった。
【まとめ】欲望は、生を取り戻す呼吸である
人は、触れ合わなくても壊れることがある。
そして、触れなくても甦ることがある。
由梨にとって筋肉BARの夜は、裏切りではなかった。
それは、長い眠りから覚めるための呼吸だった。
彼女が再び夫の隣に座るとき、その微かな熱はまだ消えていない。
欲望とは、身体に宿る祈りのようなもの。
それを恥じるのではなく、理解することからしか、真の愛も、自由も始まらない。
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